またまたの台風、今年の投げ釣りの世界はご難続きである。釣りにも行けないこんな中、ずっと懸案であった新しいテンビンをやっと完成することが出来た。
未だ、本格的に市販は出来ないが、是非使ってみたいと言う方に、取り合えず30本程度を試供価格でお分けしたいと思っている。
このテンビンは、平塚海岸の釣り仲間である投げ釣り大ベテランの“土井博明さん”が考案したものである。構造は、長い間人気のある「湘南テンビン(二宮秋雄さん考案)」の機能を一歩前進させたもので、オモリを二重にスライドさせる構造である。
土井さん曰く、魚がエサを咥えても何の違和感を与えず、そして、魚が気が付いた時には既に喉元深くハリ掛りしている。・・そんな風に確実に釣れ、楽しめるテンビンだと言う。
そして彼から、鱚介オリジナル工房さんでどうですか?どうぞ特許料も何もは要りませんから、市販して頂いて結構ですよ!!・・と言われていたのである。・・こんな手の込んだモノは造れない。・・と正直思ったのだが、でも、そうであれば、鱚介オリジナルならばできる。造って見ようではないかと思っていたのだ。
6月頃だったろうか、・・頂いた1本を試し、・・同じものを幾つか造って、何度となくこれを試用してきた。
・・うん、確かに、これまでの直線テンビンに見られたようなアタリ外れが無いのである。むしろ、前アタリを感じながら、その食い込みの良さ、アタリの凄さをも格別に感じたのである。
その後、同じ構造ではあるが、投げた際にオモリを安定させ、アームを安定させる形に整えたものを数十本造り、仲間に配り使っていただいた。・・まあ、その結果は、一応に評価を得たようである。
さて、市販となるとこれを多量に造るのは難題である。特に、スライドさせる小さなオモリホルダー部分を造るには、硬いステンレス線を曲げたり丸目加工をしなければならない。それには時間と根気が必要だからである。
使うステンレス線の太さ、長さ、形状を設計し、ステンレス線を切り、丸め、部材を整え、スナップやビーズを組み合わせる。この間、繋ぎ目の全てをステンレス用のハンダで止めねばなら無い。
ここに、50数本の完成品がある。苦労しながら1本1本造り、今、パッキングを終わったが、いまだに手の平や指は、パンパンに張ってしまっている。でも、造ることの楽しみ、完成した小さな喜びは何とも云えないものがある。
ご希望の方は、鱚介オリジナル工房のホームページから、メール便にてお申し込みください。
「W・スライド」 テンビン完成!
投稿日:
執筆者:高澤鱚介