砂浜を歩くと・・・

平塚海岸 美しい砂浜を土石で埋め立て−7

投稿日:

画像(180x135)・拡大画像(480x360)

砂とドロの違いは明らかだ!!

 長い文だが、我慢してお読み頂ければ幸いである。
 いまここに、県土整備局から届いた回答が2通ある。いずれも求めた「ドロ問題」の解決には程遠いものである。
 小生が求めた先は環境保護や保全の元締めである神奈川県環境農政部であったのだが、直接事業を担当する県土整備局に送られたのである。
 当然、事業局においては環境面を十分意識して事業を行うから、と言うのが理由であろう。しかし、それでは問題が当事者の範疇でしか捉えられない。もっと幅広い環境問題として捉え、この対応策を再検討して欲しかったのである。

 回答で明らかなように、県は「石」が問題であり、その「石」を取り除くことのみを目標とした工事を行っている。何度も何度も言うが、問題は「ドロ」の存在である。大雨や大波で流れ出し、眞砂浜を汚し、海を濁らせ、同時に海浜動植物を死滅させる。その事業は「養浜」から逸脱した「ドロのまき散らし」による「埋立て」に他ならないだ。
 「ドロ」は川からも流れ出す。しかし、それは自然の摂理に従って解決されていく。人為により環境悪化をもたらすことは、非常時でもない限り許されるものではない。


2通の回答文は以下のとおりである。
 果たしてこれが納得できるであろうか?・・疑問を残しならも、これで最後の章としたいと考えていたのだが・・?。

平成24年4月10日付け回答
 日ごろから県行政の推進にご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。
 お問い合わせいただきました平塚海岸の養浜については、養浜材として不適切な玉石が混入していたため、現在、平塚土木事務所の指示により除去作業を行っています。
 今後、このようなことが生じないようにするため、養浜材については事前に十分調査、選定するよう、当課から、沿岸各土木事務所に注意喚起いたします。
 参考までに、今回回答いたしました内容につきましては、県土整備局河川下水道部砂防海岸課なぎさ整備グループ佐藤、曽根田(電話045-210-6514)、また、現地の作業につきましては、平塚土木事務所河川砂防第一課宮田、河川砂防第二課福田(電話0463-22-2711)が、担当しておりますことを申し添えます。
       神奈川県県土整備局河川下水道部砂防海岸課長 小内 薫

これに対する小生からのメールである。
 砂防海岸課長 小内 薫 様
 返信いただきありがとうございました。
 何故か、あなた方は玉石、とか石の存在を問題視していますが、それはそれとして問題があり処置をいただかねばなりません。しかし、下記のブログにも書きましたが、問題は「ドロ」です。
 玉石は、基礎部分にでも、砂中深く埋め込んだり、あるいは海洋投棄しても何ら問題は無いでしょう。問題は「ドロ」の処理です。いまだに現場では、あれは「砂」であると言い張っているようですが、明らかに「ドロ」です。
 大雨で、大波で海に流れだし、渚にドロの層を作り、海を茶色に汚濁します。多くの海浜生物に害を及ぼします。自然環境の保護に力を入れている県政、それを担う現場を持つ貴課として一体何を考えているのでしょうか。石ころを取り除き、残った「ドロ」を如何に処理するかが、今の県が行うべき対応です。
 ともかく、小内課長さん自ら視察され、現認され適切な処理をすることを強く要請いたします。
 この件については、必ず返信いただけることを要請いたします。適切なお答えを戴けない場合は、頂いた返信メール等をすべてブログで公開することをお伝えしておきます。
よろしくお願い申し上げます。  高見澤 佑介


平成24年4月16日付け回答
 日ごろから県行政の推進にご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。
 お問い合わせいただきました平塚海岸の養浜工事については、土砂の分別等の対応に不十分な点があり、海岸へ訪れる皆様にはご迷惑をお掛けしておりますが、是正措置を講じておりますので、ご理解たまわりますようお願い申し上げます。
 平塚海岸は、相模川や金目川の流出土砂によって形づくられてきました。しかしながら、ダムの建設等で流出土砂が減り、近年、侵食されるようになっています。
 そこで、継続的な養浜に取り組むこととしており、今回の工事では、本来洪水時に自然に供給されていた金目川の土砂を用いて試験的に養浜を行いました。
 茅ヶ崎海岸で相模湖の浚渫土砂などを用いて行っている年約3万m3の養浜と比較すると、今回の養浜量は1/10以下ではありますが、人為的に行っておりますので、高波により養浜材が海浜へ供給される状況については、今後、茅ヶ崎海岸と同様、養浜材(特に細粒分)による海浜の粒度構成の変化などを追跡調査し、これからの養浜材としての活用に向け、検討データとして収集してまいります。
 参考までに、今回回答いたしました内容につきましては、県土整備局河川下水道部砂防海岸課なぎさ整備グループ佐藤、曽根田(電話045-210-6514)、また、現地の作業につきましては、平塚土木事務所河川砂防第一課宮田、河川砂防第二課福田(電話0463-22-2711)が、担当しておりますことを申し添えます。
       神奈川県県土整備局河川下水道部 砂防海岸課長 小内 薫


 もう一つ、平塚市からも回答があった。具体的な、問題を提起したにもかかわらず的を得ない回答で、市民の立場や市域の環境問題などを十分に意識していないものと受け止めざるを得ない。この時点では既にゴロタ石の撤去作業はすすみ、現在も依然として「ドロ」の存在がある。回答にある「今後、県に要望、協議を行い」を疑問視しつつも、解決に向けた努力を期待している。

平成24年4月19日付け回答
 日ごろ市政に御協力いただきましてありがとうございます。あなたからお寄せいただきましたことについて、次のとおりお答えします。
 海岸の土砂による整備について(回答)
 平塚海岸の砂浜は、近年近隣河川からの土砂供給量減少や、台風等の高波により侵食傾向が現れています。このような状況のなか、海岸侵食対策として海岸管理者である神奈川県により養浜事業が実施されています。
 また当市としても、これまで国、県に対し、平塚海岸の養浜事業について要望を行っているところです。お問合せの件についても今後、県に要望、協議を行い、安全で市民に親しまれる海岸に向けた活動を推進してまいります。
(事務担当はみどり公園・水辺課水辺・海浜担当)
                 平塚市長  落合 克宏

 小生としては、この問題をこれ以上追及するには、残念ながら一人で対応することに限界を感じている。今後は大雨が降り、大波によって穢れが明らかになるとき、その時々にこの空しさを感じるだろう。また、追求を諦めてしまったことを悔いるに違いない。そんなことまで意識しながら、ここら辺で元の投げ釣りの方に戻っていきたいと思っている。






-砂浜を歩くと・・・

執筆者:

関連記事

平塚海岸 美しい砂浜を土石で埋め立て−4

取り出されたゴロタ石の山 昨日、強風の中、工事が行われたようである。その現場を海岸散歩の途中見てきた。先ず気になったのは、工事中にあるにかかわらず危険防止策は何ら施されていない。 現場の背後地に、取り出されたゴロタ石がうず高く積まれていた。 これほども埋もれていたのかと驚くぐらいだ。…しかし、これは一部なのかも知れない。表面の土砂をすくい取り、ゴロタ石だけを取り除いたのだと見える。  永久に、大波や大雨で露出したり流れ出たりしないのであれば、それはそれでよいだろう。・・・一応、一つの危険要…

Loading

平塚海岸 美しい砂浜を土石で埋め立て−8

細い水道が土手を崩し始めた 26日から27日にかけて、少し強めの雨が降った。写真は昨日、撮ったものである。修復工事は終わりかけていた。  しかし、残念ながらドロは残されたままである。最初と比べると、ゴロタ石を除くために、元々あった基部の砂が掘り起こされ混じったのだろう、ドロの色は薄くなっていた。 土手のあちこちに、花水川の岸辺から運ばれた「アシ」の芽が出かかっている。海浜性植物に代わって、アシの茂みが出来なければよいのだが・・・。 このように、少しの雨であっても砂のように雨水は浸み込まず、…

Loading

平塚海岸 美しい砂浜を土石で埋め立て−3

風が砂を運び荒れ肌を覆い始めた 築かれた土石堤だが、一昨日からの暴風雨で泥や石が流れ出すことは幸いにしてなかった。大波も寸でのところで止まった。 ふと思ったのだが、自然の力は凄い・・。先に「泥隠し」をするため「表面を砂で覆う」のでは?と嫌味を書いた。・・が、今も吹いている強風が砂を運び、荒れ肌の表面を覆い始めたのである。人為に抵抗が出来ない自然は、自ら、辱めを隠すかのように「砂化粧」を施しているのだ・・と。   今日、嬉しい情報が寄せられた。  実は、この一連の事件?を県や市、マスコミにも…

Loading

平塚海岸 美しい砂浜を土石で埋立て!!

これが現状である 数日前、釣友から「台風で削られた砂堤をドロで埋め立てている」との話を伝え聞いた。昨日の夕刻、散歩がてら見てきたのだが正直驚いた。 大きな石からこぶし大の石までが、ドロでまぶされたような状態となって積み上げられているのである。  場所は、袖が浜の景観名所である「夕映えの丘」前の渚にそって、高さが3〜4メートルくらい、長さが200メートルくらいである。 何年か前に、ビーチセンター前のバレーコートを「少しドロが混じった砂(川砂と言われた)」で築いたのだが、大波や大雨のたびに泥が…

Loading

平塚海岸 美しい砂浜を土石で埋め立て−10

容赦なく大波が削り始めた 台風4号が、遂に、養浜事業の美名で構築したゴロタと泥土で造った堤を崩し始めた。 工事後、表層土は、雨で洗われ表面的には砂で盛られた様相を見せていたが、そこにはアシやススキなどの雑草が茂り、遠方からも異質な風景を作り出していた。 こうしたさ中、地元の太陽中学校では、海岸にハマヒルガオなどの海浜性植物を増やすべく、学生らが皆で苗の植え込み作業を行ったと聞く。・・・こことは地続きの東の海岸で・・・。 この矛盾は一体何なのか?一方では、それも行政自らが美しい砂浜の破壊を、…

Loading

2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

アーカイブ