大き目の仕掛け巻き「有限100掛け・P?」」の試作が出来上がった。
大きさは外径が97ミリで、既製の76ミリと比べ約20ミリ大きくなった。ピンの高さは共に30ミリ。センターピンに重ねられるハリ数は、約80〜90本程度である。
使い勝手や保管等を考えると、まあ、この程度の大きさが適当かと考える・・・。
P?の一番の目的は長めのエダスを巻けることにある。試作の結果は、既製の32ミリに対し40ミリと、約8ミリほど広げることが出来た。
既製のモノは、2〜5号程度の小バリの多点仕掛けに適したものだったが、P?は軸長のハリに適し、特に、新しい「鱚介アブミ」を意識し企画したものである。
そもそも、これは無限仕掛け用に造ったもので70〜80連針の仕掛けを巻くことが出来るが、3本バリ、5本バリ、7本バリといった、単独の完成仕掛けを巻くような機能も持っている。
デザイン的には、この試作品では材質が若干柔らかく、木目がきつく穴ずれが出来るため、加工上の問題から不適と考え既製のブナ材にしたいと思っている。
周辺のピンの径は2.5?で12本。センターピンは小針を考え径1.1?とした。また、軽量化と使い勝手を良くするため、本体に4個の指穴をあけたが、これでは実際には使いにくく、3個に減らすことにしている。
また、既製のモノには蓋を付けたが、実釣時には邪魔となることが分かり、前回の反省に立って、付けることをやめることにした。さらに、この種の仕掛け巻にはケースが必需であり、軽量なステンレス製のストッカーに入れることにした。
最大の問題は価格である。木工製品を手掛ける以上手が抜けない。仕掛け巻と云えど、かなりの芸術的センスを持った職人の手で削られる。・・・当然、手間賃は高くなる。・・・そして特注で造ったステンレスピンを打ち、太さの異なったセンターピンを打ち、糸止め部にはシリコンパイプを嵌めたピンをはめ込み、最後に、2度重ねのペイントをする。
まあ、そんなことから、もし企業的な計算をすれば、とても釣りにはかなわない価格となってしまうだろう。・・・何とか、あらゆる努力をして、釣り道具として適した価格を見いだせねばならない。
こんなことでも、一つの商品を作り出すまでの苦労が良く分かる。・・・でも、取り組んだ以上、それなりのものに仕上げなければならないし、せめて、自己満足を得られれば“それで良し”としなければならないだろう。
一人でも多く完成を期待してくれる方があったら、それは小生にとっての慰めである。
秋半ばには、完成品を紹介するようにしたいが・・・、興味ある方はお楽しみに!!
「有限100掛け:パート?」を試作・・・!
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執筆者:高澤鱚介