ピタッと書き込みが無くなったが、どうしたのか?・・そんなメールを頂いてしまった。
決して体調を崩した訳では無い。ただ、性分なのだろうか、どこそこが釣れ盛っていると聞くと、何故か行きたくなくなるのである。歳?暑さ?と云われれば、そうかもしれない。・・が、昔から、そうした天邪鬼(あまのじゃく)的傾向はあった。
いま、湘南から西湘の海岸では例年に無いように良く釣れて居る。・・行かないまでも、情報だけは色々入る・・。
だが、過日、ある程度満足した釣りをしており、なおも追っかけ、もっと釣りたい!!・・とは思わないのである。
ならば、何してたのか?と云うと、造るのが一番嫌で、嫌いなテンビンを造っていたのだ。
・・何種類かある「鱚介テンビン」だが、その中に「W・スライド」と言うのがある。以前ここに書いたが、地元釣り仲間の土井さんが考案したもので、少し手を加えて完成した優れものである。
実は、これが意外に人気が高い。・・決して多くの方からでは無く、特定のマニアックな方からの注文が入るのでる。
構造は、写真から判断してほしいのだが、これを造るのが実に大変なのである。構造が複雑で、細かな作業が必要なのでる。・・・したがって在庫が少ない。
これを完成させるには、針金を既定の長さに切り、油落としのため洗うことから始まる。・・幾つかの部材を造り、終盤でこれを組み合わせる。そして最後に検査し、パスしたものだけを、パソコン造ったラベルを張ったクリアパックに入れ、完成させるのである。
ざっとだが、手作業で行うこれら工程を数えると、実に30工程以上をこなさねばならない。その都度、治具を変え、工具を持ち換えて、挟んだり、曲げたり・・・手のひらには、何時の間にかマメが出来、固まってしまっている。・・
何から何までわが身一人、我が手一つで、全てをこなさなければならない。・・ふと、そんな手の平を見ると、すっかり職人になった自分をそこに感じるのでる。
・・いま、ここにやっと100組(200本)程の「W・スライド テンビン」が出来上がった。
正直言って、注文があるたびに、もしや「W・スライド」
の注文か??・・・で、なければ良いのだが・・、もう残りは少ない、造るのは嫌だ!・・・できれば造りたくない!
そんなビクビクした状態から、今暫くは解放されそうである。
でも、・・・喜んで使ってくれる釣り仲間からの注文がある限り、造り続けねばならいのだろう。
明日から24日まで、富山〜石川〜能登方面に釣行する。後頭部に強い日差しを受けながら、日本海側のキス本番を楽しみたいと思って居る。
「W・スライド」 テンビン
投稿日:
執筆者:高澤鱚介