形状記憶合金「KIOKALLOY」のテンビンオモリ/アームを書いたところ、数名の方からご意見やご示唆を頂いた。・・多くは丸目と接続に関してであった。
その後、試行錯誤しながら実釣用のテンビンオモリを試作し、実際に投げている。
今迄の結果であるが、丸目、接続方法はほぼ解決したように思う。以下、少し紹介しておきたい。
扱いにくい形状記憶合金(KIOKALLOY)には、どこかで割り切った加工が必要だ。
何人かの方からあったご指摘のように、確かに、瞬間接着剤でのパイプ固定では、使用に伴う劣化による剥離、抜け、につながると思われる。
そこで、テンビンオモリの場合には、全ての繋ぎはシングルスリーブ(パイプ管)に嵌め、カシめることが一番安全で確実であることを確かめた。
・・スリーブの材質(黄銅鉱)と形状記憶線(チタン)は相性が良いようである。
さらに、カシめるとスリーブ表面に傷が出来るので、そこはステンレス用ハンダで薄くメッキし、さらに熱収縮ゴムでカバーすることにしたのである。
もう一つは、アームを木部から出した、先に記した形のテンビンオモリだが、このアーム自体は上記と同じで良いのだが、木部との接着固定が最大の課題である。
これには接着面を多くするため、挿し込む木部の肉厚を広げ、深くスリーブを嵌め込んで、そ部分にアロンアルファ「耐衝撃」を使うことで改善できそうである。ただ、長時間の使用には若干無理が生じそうでもあり、さらなる試行をしたいと思っている。
一方、テンビンオモリとは異なった、テンビンへの応用である。例えば、当工房の「真打ち」であれば、曲げた先のアーム部分に形状記憶合金線を付けることは簡単である。
しかし、こうした構造がL型アームと違って、本来のテンビンの役目をしてくれるか否かが疑問なのである。
恐らく、船で使うのであればそれなりのテンビン効果があると思うのだが、直線テンビン系では、実釣に於いて有効か否かの答えが見つからず、今一、研究を続けねば答えは出せそうにない。
今朝、平塚海岸で実釣してきた。今季初モノを2尾釣ったが、アタリは直線テンビン系とは明らかに異なった感じであった。
まだ、遠投でもあり、キスの動きが弱いという事を差し置いても、アタリはブルブルッでも、ガクガクッでもなかった。グンッ、グイ〜ンとした、重たく、のったりとした弱いアタリだけだった。
もしかして、これが形状記憶合金アームでの魚信かも知れない。・・でも、口に掛った針先は外れにくく、確実にハリ掛りするような感じも受けたのである。
・・・明日も、実釣で確かめたいと思っている。
形状記憶合金アーム2
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執筆者:高澤鱚介