さて、いよいよテンビン「真打ち」が出来るまでを順を追って紹介しよう。
ただし、これはあくまでも、釣り人自らが楽しむ延長上のものであることをご理解頂きたいし、テンビン造りとは“これほど手が掛かる面倒の中から生まれるのだ”・・と云うことを知っていただきたいからでもある。
なお、当工房での作業は、概ね100本を一連の単位として行っている。
1 先ずは、必要とするステンレス・ワイヤーを規定の長さにカットする。
2 ワイヤーに付着している油(マシンオイル)を湯に浸し、洗剤で洗い落す。
3 水分を拭き取って乾かす。
4 ワイヤー上部を軸部とし、端末を、クルックリン具を用いて丸目を作る。
5 ヤットコを使って丸目を調整する。
6 長い方のスリーブを反対側のアーム部分から通す。
7 軸とアームの基部となる定位置にスリーブを止め、ハンドプレッサーで借り止めする。
8 パイプ折り曲げ冶具にアーム部分を嵌め、ヤットコで掴みながら規定の角度で「くの字」に曲げる。
9 アームをパイプから取り出し「くの字」の角度を一定角になるように調整する。
10 次はハンダ付けである。丸目部分と「くの字」に曲げたスリーブ内側の2か所をハンダ付けし固定強化する。
11 フラックスを湯で洗い流す。
12 水分を拭き取って乾かす。
13 金属ビーズ→フック付きスイベル→金属ビーズ→短いスリーブの順に嵌め込む。
14 アームの端末をクルックリン具を用いて丸目を作る。
15 丸目を整える。
16 軸の丸目とアームの丸目が平行になるように調整する。
17 短いスリーブを所定の位置にハンドプレッサーで借り止めする。
18 次はハンダ付けである。アームの丸目とスリーブ内側をハンダ付けし固定する。
19 フラックスを湯で洗い流す。
20 水分を拭き取って乾かす。
21 仕上げである。あらかじめ切っておいた熱収縮ゴムを「くの字部分」と「オモリ止め部分」のスリーブに被せる
22 コテライザーで熱収縮ゴムを熱し収縮させる。
以上で完成である。
*ちなみに、金属ビーズが無ければプラビーズなどでも良いし、熱収縮ゴムを用いなくとも良い。・・・ただし、当工房の製品は長い研究からの完成品であり、異なった部材、違った規格では、微妙に使用感が異なるであろうことを加えておきたい。
テンビン・・「真打ち」のこと(3)
投稿日:
執筆者:高澤鱚介