口径の異なった2本の針金を真っ直ぐに繫げる・・。これがテンビン造りの大きな課題でもあった。しかし、それは簡単なようでとても難しい。 これまでは、8スリーブ(Wスリーブとか、だるまスリーブとか云われるもの)で、2本の針金を平衡に並べてカシメたりハンダ付けをしていた。また、1本のシングルスリーブでも8スリーブでもそうだが、太軸に合ったものを使っていた。こんなことだったから、口径の異なった針金を繫げた場合、出来上がったつなぎ目は太く、見てくれも良くなかった。 これを解決したのが、鱚介オリジナル工房がある精密器機メーカーに研究開発をお願いし、完成をみた「異口径スリーブ」である。一言で云うと、ステンレス細管を「しぼり」の技術を用いて1本1本手造りしたシングルスリーブである。 既にこのブログでも紹介してきたが、最近、全国の方からの購入依頼が増えている。投げ釣りマンの人気ホームページ「投げ釣り北近畿」で紹介されたからだと思っている。 頂いた注文メールの中には、こうしたスリーブは絶対無いと諦めていました!・・。良くぞ作ってくれました!・・そんな声も寄せられている。 零細鱚介工房としては、金と時間をかけ、賭けみたいな冒険でもあったが、今はつくづく造ってよかったと思っている。 因みに、種類は2種類、「1210番」は、1.2?と1.0?の針金をつなぐ。もう1種は「1008番」で、これは1.0?と0.8?をつなげるものである。 さらに、「1210番」の細口に0.8ミリ用の鞘管「ストレートPS08番」を嵌め込むと、1.2?に0.8ミリの針金を繋ぐことが出来る。 敏感さを持ったテンビン造りには、もうこれを欠かすことが出来なくなった!!と言うリピーター出始めた。 初回に造った異口径スリーブは、そろそろ在庫の底が見え始めてきた。もう暫くは大丈夫だと思うが、何れ増産を考えねばならない。 ・・が、完成するのは発注し3〜4か月も掛ってしまうので、もし、ご入用の方は、少し急いで注文頂いた方が良いかもしれない。