写真は、キス用に造られたネムリ針である。 でも、投げ釣りマンの多くはこのネムリ針を知らないし、見たことも、使ったこともないのではなかろうか。 針のメーカーでさえ、このネムリ針の効用は良く分からないと言ってるくらいだから、大した需要もなく造るメーカーも少ないのだろう。 2〜3年前、たまたま見つけた「キスのネムリ針」に興味をひかれつつ、ここに少し調べてみた。 一般にネムリ針と云えば、ムツ針に始まって、チヌ針やセイゴ針に見られる。このネムリの効用については、ハリを飲み込まれずに唇に掛かることが多く、チモト付近でのハリスの食いちぎりや、魚へのダメージが避けられること。針先が内側に曲げられていることから、喰った後のバレが少なく、また、根掛かりがし難いことなどと書かれている。 ただ、根掛りがし難いと言うことは、ハリ掛りがし難いというデメリットにつながる。どうもそうなると使い方は限られそうで、ちなみに対象となるのは、エサを飲み込み直ぐにほき出す様な魚、頭を振り、素早く動くような魚種に適すと言う。従って、カレイなどの動かない魚には向かないとも書かれている。 で、あれば、果たして投げのキス釣りにはどうだろうか?サビきながら釣るキス釣りで大事なのは、如何に素早く確実にハリ掛りさせることである。従って、今の流れは、ハリ先がやや外向きなモノが好まれている。でも、それは刃先が直ぐに鈍くなる弱点もあることから、神経質な方は常に新しい仕掛けに変えねばならないことになる。 まあ、キス針の種類は沢山あるものの、これらには其々の長短があって、結局は自分にとって一番使い勝手のよいハリを選ぶことになるのだが・・・。 そんな中で、今、ネムリ針に興味を持ったのは、シーズンが過ぎ、これからは待ちを主体とした釣りになるこを意識し、それこそ静かに待って向こう合わせで元気良く食い付くこと、連を狙ってバレの防ぎを期待して使ってみたいと考えたのだ。 写真左は、今から50年くらい前の船による「キスのはえ縄漁(キス縄)」で漁師が使っていたものである。これにイカの短冊餌(相模湾)を付けて釣ったのである。軸は太く0.63ミリもある。メーカーは(ヤマシタ?)だと思うが、今はもう発売もされてないと思う。大きさの表示が面白いし、はえ縄で使われたことは、如何にバレに強かったのかが伺える。 右は、何時ごろからあったのかは知らないが、もりげん(株)が出している「キス Z」というもの。細軸で0.43ミリ、大きさは6号から10号まで、色はピンク系と茶系の2種類がある。価格は少々高く、100本入りで800〜1000円である。 明日辺りからの釣行でこれを使ってみて、何時か使用感などを書いてみたいと思っている。なお、ネムリ針についての興味や情報をお持ちの方があれば、是非、下のコメント欄の方へお知らせ下されば幸いである。