海難事故・救助活動に遭遇!

投稿日:

 この写真を見て、これが何んなのか?すぐにお分かりだろうか?  これは、先日(11月6日)のカワハギ釣りの最中に出くわしたプレジャーボートの海難事故である。小生にとっては余りにもリアルな経験であり、これを公開することは相手のプライバシーを侵害する恐れもあろうかと、思いためらって居たのである。 しかし、こうした事故は未然に防がねばならない。これを前提に、今、増えつつあると聞くこうした事故の現実を伝えることはブロガーとしての一つの役目なのかもしれない。 また、この事故現場に遭遇し、的確に判断しながら救助した船長らの一連の行動は評価されるべきである。 そんなことから、船長とも相談し、当事者のプライバシーを尊重しながら、一つの教訓としてここに出すことにした。  この日は快晴の青空、だが、早朝は大したことは無かった北の風が9時頃から急に吹き始めた。・・サオを出す我々も、かなりキツイ風を受けての厳しい釣りであったのである。 そんな中、船から南西に少し離れた海面に異物が浮かんでいるのを船長が発見・・。 突風に舵を誤ったのだろう、釣り用の小型プレジャーボートがひっくり返り、裏返ったボートの艫側に二人の釣り人がしがみ付き漂っていた。二人ともライフジャケットは着ているものの、胸まで海中に浸かっている。  見つけた船長は、直ちに釣り客にサオを上げさせ救助作業に向かった。若手の慣れた釣り客二人に手伝ってもらい、船に常備された梯子を、海面から一番低い左舷胴の間から下ろす。 船長は、自船を背後からゆっくりとボートに近づけた・・。釣り客が手を貸し、梯子に取りついた先ず一人を引き上げる。・・・直ぐに、二人目も引き上げられた・・。  ・・後から船長に聞いたのだが、海水に浸かった体は硬直して動けなくなるし、海水を吸った衣類はかなり重くなり、そうした状態で一人で動くのは困難となる。外気がもっと冷たかったり、ウネリがあれば、船に掴まっている事すらできなくなる。多くはそうして流され行方不明になってしまうのだそうだ。 確かに、この二人も僅かな段数の梯子を一人では登れなかったし、船上に助けられても身動きできずに、ただ震えているだけだった。  どうやら、発見されるまで小一時間も漂流していたようである。携帯やスマホは海水に浸かってダメになったか、海中に沈んだかは分からないが、兎も角、ボートが裏返ってしまったので小旗も立たず、助けを呼ぶ手段は全く無かったようだ。 一人から聞いたが、風が強くなったので引き返そう!とした時に、突風にあおられひっくり返ってしまったと云う。 いずれにせよ二人とも怪我もなく、幸いにして無事救助されたのである。  その後、浮いていた荷物を掬い上げ、裏返ったボートも上手く引き起こし港に曳航した。・・港には、船長が手配した救急隊員らが待っており、直ぐに病院に運ばれたと聞いた。  船長は、これまで何十人と海難現場で人命救助をしていると聞いていたが、初めて経験した我が目で見ても、船長の慣れた機敏な対応は見事だった。 船長は自ら操船しつつ指示を出し、停めては船上を走り回り自らも手を出す。・・が、操舵と救助活動を同時には出来ない。幸い慣れた客が居たから良かったが、小生など全く何一つ手伝うことは出来なかった。 ・・ただ、後のこともあろうからと写真だけは撮ったものの、実はシャッターを押しながらも、何故か心苦しさを感じていたのである・・。 小生は、今も落ちた二人が誰かは知らないが、後に船長から、救助された二人は無事だったと聞き安心はした。・・だが、恐らく二人の心の傷は当分の間消えることは無いだろう。 ・・港に戻った船は、まるで何も無かったかのように、再び我々を乗せて釣り場に戻ったのであった。  云い忘れたが、この事故の一連に要した時間だが、発見が午前9時2〜3分前、救助し、港に曳航し、二人を送り届けたのが9時26分だった・・。実に30分間のドラマだったのである。 この主人公こそ、素早い行動、的確な行動を成した小網代の船宿、丸十丸の小菅裕二船長と釣り客2人であった。本当にお見事でした。お疲れ様でした。 実は、この日、この後、もう一つの事故に遭遇した。双胴のヨットのメインマストが根元から折れ、海面に漂っていたのだ。  ヨット仲間が助けに入るという事から、船長はその場を離れたが・・・。暫く後、仲間らしきのボートが近づき、ヨットが無事に帰港できたと船長に報告してきた・・。 この日は、めったに経験することが出来ない2つの海難事故の現場を見てしまった。  海は怖い。天候が唐突に激変する今頃の、季節の変わり目は特に注意しなければならないだろう。 もう一つ、ライフジャケットの大切さをこの目で確かめた。・・そう言えば、古くなった我がジャケット、そろそろ更新しなければ???  もう二つ目もあった。海水に浸かったままでも使えるよう携帯電話の防水カバーも大事である!!この日の2件ともに事故後、通信の手段を無くした、持っていなかったとも聞いた。

Loading





-未分類

執筆者:

関連記事

no image

サオ立てのこと

 過日、ここに載せた「鱚介の竿立て・最終章:50本:あわび化粧巻き」は、ほぼ完成の段階にあります。 気の早い方からの注文もあり、取り敢えず完成したものから順に、本日から発売することにしました。 宮嶋屋釣具店では明日からの発売です。 詳しくは、鱚介オリジナル工房のホームページでご覧いただきたくお願いします。 さて、大磯海岸の投げは、この土、日、座を休日釣り師に明け渡し、釣りが日常業務みたいな自分の体を癒すべく休んだ。しかし、数日留守した平塚海岸も気になり、日曜日の朝ちょっと出かけてきた。 テトラ前のチ…

Loading

no image

平塚海岸 チョイっと行ってきました

 村越正海さんの昨日のブログ、“チョイ投げ”に刺激され予定通り平塚海岸に行ってみた。 午前4時、窓から外を覗くと薄暗い夜明けの中、雨後の雲は高く、早くも小鳥のさえずりが聞こえていた。・・これならば雨は降らないだろう。・・家を出て、5時には東側の通称マンション下に着いた。 しかし、かなり波足は長く濁りもある。ただ、水温は高そう。暫らく様子を見たが潮は引きに入りつつあり、波は穏やかになると見た。 そんな中、2色に第1投。・・・なんと、いきなり来たのである!! 18センチくらいのヤツが!! ・・その後、数…

Loading

no image

大型ばかりをツ抜け!!

 昨日は無風快晴、穏やかな平塚海岸に行って見た。テトラ群の右手、5色に投げ3色半で4尾をゲット。ただ、型は18センチ止まりだった。 ほんの2時間程度だったが、テトラ前を丹念に釣れば、そこそこ釣果は期待できそうである。 して、今日、午前9時には雨!と予報が伝えてた。昨日仕入れた岩イソメを持って茅ケ崎に・・・。 穏やかな中で釣り開始・・。和田さんが23センチクラスを先ず仕留めた。続いて、小生にも・・・。  最近、周りは釣れるがさっぱり釣れずで少し気落ちしていたのだが、1尾が釣れれば後は簡単だ!! 今頃の…

Loading

no image

「真打ち−藍」誕生

 我が鱚介オリジナル工房から、投げ釣りテンビンの最終バージョンと決めて生まれた「真打ち」は、今、投げ釣りの世界で広く愛され始めている。 「真打ち」には、硬め遠投用の「真打ち−黒」と柔らかめ近場用の「真打ち−赤」の2種類がある。 実はこれが標準として好まれるならば、恐らく、もっと硬めで超遠投・多点バリ用の、もう一段強化されたものが必要となるに違いないと考えていた。 そんな中、報知名人戦で4年連続名人位を得た鱚介オリジナル工房のアドバイザー「西向雅之さん」から、“13〜15本バリで遠投用の「真打ち」があ…

Loading

3週連続で!!

ショートタックルでの永山さん! 南伊豆妻良の春ギスが諦めきれず、3週続けて出掛けてきた。 同行は神奈川サーフの佐藤正美さん、通称ピョンちゃん。それに、釣り場で出会った小田原の永山幸央さんである。永山さんといえば、柔い竿に6〜7号のオモリを付けて釣るライトタックルの名手として知られた方である。 この日も午前6時少し前に妻良に着いた。幸いに釣り人はイカ釣りの2人だけで、先端には誰も居なかった。 潮は前回と違って5時30分頃が満潮。それから落とし午前11時30分頃が干潮一杯となる、下げ潮の中での…

Loading

2024年5月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

アーカイブ