シロギスの昆布〆

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やはり、大磯海岸に、二匹目のシロギスはいなかった。と、言うより、低気圧の通過で波が高く、濁りがあって、とても釣りにはならなかったのである。でも、同行の山田聖二さんは流石だ。釣友から「粘りの山田さん」と言われるだけあって、ピンギスを3尾もゲットしたのだ。どうやら海況はますます悪いほうに向かっているようで、ほんの1時間ほどで、サッパリと諦めることとした。 さて、そこで、今日はシロギスを使った私の得意料理の一つ、昆布〆を紹介しよう。キスを使った料理には、ナマ、焼く、蒸す、揚げる、といった具合に沢山ある。いずれも上品な味で、日本料理の具となることが多い。勿論、卵黄をつけてフライパンで焼く小金焼きやムニエルなどのように、洋食にも良く合う。更に云えば、昔は、相模湾のキス縄で釣れたキスを「銀ギス」と呼び、高級割烹や高級鮨屋で使われていた。今では、旬といわれる初夏に、地方の魚屋で地産のものが売られてはいるが、都会のスーパーなどで売られるものは、大概は、タイなど東南アジア産が主である。また、関東近県には専門に狙う漁師もいないし、商売になるほどの漁獲量も無い。そんなことでシロギスは益々高級魚となってしまった。言い換えると、一般の人には、中々、本当のキスの美味しさを味わうことが出来なくなってしまったのだ。こんなことから、釣り人は、いや、特に、シロギスだけを狙う投げ釣りマンは贅沢ができる。釣って、料理して、自分を楽しみ、家族にも笑顔を与えることが出来るのだ。 ここに紹介する昆布〆は、私の長年の経験から、こよなく愛するシロギスに対する敬愛の念を、美味しく味わえる最上の形で恩返ししたい。・・そんな一途から生まれ、完成した一品であることを先にお断りしておきたいのだ。エヘン! ん?ん?ん?  むむむ・・!!、との咳払いが茶の間の奥から聞こえたような気がするが・・?? 前置きが長くなった。「昆布〆」作りを順をおって示そう。ここでは、20センチクラスのシロギスを10尾ほど釣ってきたとする。材料は、1:塩・天然塩を一握り。2:昆布・竿前昆布又は早煮昆布(早取りの軟らかい養殖昆布)が適当。昆布は横幅を、魚の身幅の大きさにハサミで切っておく。数は、魚の倍・・ここでは、20〜25片くらい用意する。3:酢・塩の洗い流し用に使う。  先ずは、釣った瞬間から料理は始まると思ってほしい。新鮮さを保つために、?必ずクーラーボックスには氷を入れておく。帰ってからも冷やしたまま冷水で洗い、常に身が締まっている状態を保持する。?次に、一片も残さないように丁寧にウロコを引き、頭と臓物を取り除き、サッと冷水で洗い流してザルに揚げておく。?素早く三枚に下ろし、付いているヒレや腹骨を削ぎ落とし、冷やしたボールに入れる。?ボールに全てが整ったら、用意した一握りの塩をマブし、良くかき混ぜる。?これを冷蔵庫に入れ、夏なら3分、冬なら5分くらい、そのまま漬込む。?冷蔵庫から取り出して、大目の酢を、上から充分かけて(1カップ位の量)全体を混ぜながら、塩を洗い流す。塩漬け、酢漬けとならない様に、短時間で処理することが重要ポイントである。?身に酢が残っている状態にし、そこに切った昆布を入れてかき混ぜる。?2〜3分で昆布が柔らかくなる。キスと昆布を交互に、丁寧にタッパーなどの容器に重ねて入れる。最後に、余った昆布を並べ隙間が出来ないように、上からそっと抑えて空気などを抜く。?完成である。冷蔵庫に入れて2〜3日後から美味しくいただける。絶品であるが、昆布も美味しい。また、カワを剥くと食感は良いが、付いたままのほうがなお美味しい。 キーワードは、新鮮、甘い天然塩、軟らかく良い昆布、少しだけ上等な米酢、素早い処理である。・・以上であるが、写真は、昨日、大磯海岸で、私が一本釣りで仕留めた「銀ギス」の昆布〆である。 来る15日に、行きつけの「水連洞」で仲間との飲み会がある。其処で、これを披露しようと思ってはいる。しかし、果たして、それまで我輩の口が我慢できるかどうか、それは保証の限りでない!!

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