正直って、もう書くのは終わりにしたかった。しかし、そんな折、今朝の神奈川新聞に記事が掲載されたのである。
内容からみると、小生にとっては少し問題の指摘が曖昧であるように思える。岩石を入れたのは業者のミス、これにかかる費用は業者の責任と書かれている。果たしてそうなのだろうか?
恐らく、工事業者は県から示された設計図書に基づいて行ったのであろうし、仮に無視したり間違ったとしても、河川から運ぶ土石が砂浜に適するものか、ドロの洗浄はどう行うのか等々、県は発注者として管理指導の責任があるだろう。
また、海岸に積み込む際にも確認される筈である。僅かな時間で工事が行われた訳ではなく、十分に検証する時間はあったはずである。
果たして、一方的に業者の責任を責めるべきなのだろうか?
業者は、ある面とても弱い立場だと言われる。「反論したり、言うことを聞かなければ、次から仕事がもらえなくなる。」との恐れの言葉を良く聞く。記事の内容からも、業者は(一方的に)そうした立場から、その非を認めているような感がしてならない。
だからと言って、市民からの税を投入することはこれまた問題であろう。
さてはて、こうした不始末はどう収められるのだろうか・・。
もう一つ、環境保護などの県の窓口は環境農政部の所管であろうが、何の動きも感じられない。同じ県の仕事であるからと云って無視できないはずだ。どのような調整が行われたのであろうか?残念ながら記事の中にも見当たらない。
更に付け加えれば、「石」は急崖状の土手にまかれ、危険には違いない。しかし、ドロを洗い流し、土中深く埋め込んだり海に投棄されたとしてもそれほどの問題ではないだろう。
問題は「ドロ」である。先にも書いたが、ドロは砂に浸透してしまうし、大雨や大波によって海に流れ出す。
県職員は記者に対して、まだ「砂」だと主張しているように思える。・・が、一目瞭然「ドロ」である。川底や川淵にたまった「ドロ」を洗いもせずに、海岸に運ばせ積み込ませたのだ。
砂浜の土手には最近、ハマボウフウやハマコウボウムギ、ハマヒルガオなどがやっと根付いてきたばかりだった。渚にはスナガニやスナモグリなどの甲殻類が居る。もちろん小魚も多くいる。
そうした生態に悪影響をもたらすであろうことは明らかなのであるが、それらの追及もない。
ゴロタ石を取り除きどこかに運搬して、「さあ、これで終わりですよ・・」では、問題は決して解決しない。県行政は県民の立場に立って、最後までその責任を全うされることを願うものである。
平塚海岸 美しい砂浜を土石で埋め立て−5
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執筆者:高澤鱚介