おもしろ試作品

鱚鈎:丸キス1.5号

投稿日:

画像(180x135)・拡大画像(480x360)

太軸・切り込み・ネムリが特徴!

 「おもしろ・・」などと云うのは相応しくないのだが、半世紀前のキス針で、今風に言うのであれば「時代遅れ」のハリ・・。そうした点から見ると面白くも見えるのである。

 恐らく、その時代の先端を行ったキス針だと思うのだが、今のハリと異なった点は、先ず「太軸で重い」という事である。
 同じような大きさで最新の「鱚介アブミ・5号」は、太さが0.33?径であるが、この「丸キス1.5号」は、何と倍の0.65?径と太く、当然、重量は2倍以上はあろう。
 
 もう一つは、ハリスを結ぶチモトの形である。今のキス針の多くは「タタキ」と云ってチモトが平らに叩かれているが、このハリは「切り込み」といって字の如く切り込みが付いている。

 また、その時代の最先端と云ったのは、針先が内側に向いた技術的にも難しい「ネムリ」となって居ることである。このように、掛かったら外れにくい構造を持ったハリだから「投げ釣り」や「船釣り」で使うことよりも、どちらかと云えば、漁師の「キスの延縄(はえ縄、キス縄)用」に造られたのかもしれない。

 何れにしても、この一つのハリから解かることは、釣り針製造技術者の弛まぬ努力によって、材料や製造技術が如何に高度に進化したのかが良く分かる。
 同時に、半世紀も前にこうした小さく精巧なハリが造られ、現在に繋がった進化の事実を見れば、今や日本の釣り道具(単なる釣具では無く[道具」である)が、世界一だと云われる所以が良く理解できるのではなかろうか。

 
 以前、書いた事があるが、もりげん?の「キスZ」が同じキスのネムリ針である。・・・置き竿での効果が期待されるハリであり、この「丸キス」も十分、今に通用するものと考えている。

画像(180x135)・拡大画像(480x360)

チモトの「切り込み」

画像(180x135)・拡大画像(480x360)

鱚介テンビン5号と比較






-おもしろ試作品

執筆者:

関連記事

鉄製のシンカー

鉄製27号シンカー 堀オリジナル工房さんのおもしろ試作品から離れ、手許に大事に仕舞ってあった「鉄製のオモリ」を掲げてみた。  数年前、静岡の「HP:すたろう日誌」を書いていたベテランキャスターから頂いたモノである。2個頂いたが1個は行方不明となり、これはお宝として保存してあったものだ。 売りは、「環境に優しいオモリ・・」と云うことである。・・鉄棒をフライス盤などを使って1個1個丁寧に「削り出し」で手造りしたものである。 これを大量生産することは難しそうで、聞くところ1本900円と価格は張る…

Loading

FPシンカー 青タン・アワビ!

左から27号、30号です これは試作品では無く、新潟の方からの特注で受けたFPシンカー青タンのアワビ巻きである。 アワビ巻きの具体的な効果のほどは良く分からないが、多くのベテランキャスターたちの間で使われていることから、それなりに効果があるのだと思う。 小生も幾つかを持っているが、もしかして良く釣れるかもしれない!!・・と、期待を抱きながら使うのも、それはそれとして楽しいことである。  また、光線を受け怪しく七色に光るアワビのその美しさは人間でも興味を誘われるから、海底にあっても魚が興味を…

Loading

これもテンビン??

素のままのテンビン? 我が鱚介工房で試作したテンビンの種類は、それこそ100種を超えて居ると思う。・・・そして、その中の幾つかは製品化し、販売もしてきた。  人様から、造ったお前さん自身から、これぞテンビンだ!完成品だ!と云えるものはどれか?と聞かれたら、それは「真打ち」である。 その「真打ち」には赤(0.8?)、黒(1.0?)、藍(1.1?)、黄(1.2?)の4種類ある。・・・が、最初に造り販売したものと、今の製品とは少し違う。自分自身使い込んで、また、多くの方の実釣経験から寄せられた意…

Loading

FPシンカー ロケット型!!

FPシンカー ロケット? 釣りの方はさっぱり・・とは言え、平塚海岸テトラ周辺では常連さんがポチ!ポチ!っと釣っている。 小生は11日に南伊豆を一周してみたが、僅かに2尾の貧果だった。 シーズン開幕までの時間は長い。・・・という事で、このブログに「おもしろ試作品」と言うカテゴリーを加え、新しい釣り具の試作品や、悪戯で造ってみた作品等を紹介していきたい。また、お寄せ頂いたアイデアを具現化したものなども載せてみたいと思う。・・・・・お楽しみに!! スタートは、ロケット型のFPシンカーである。 昨…

Loading

堀オリジナル作品−1

パトリオット おもしろ試作品として幾つかを紹介してきたが、先の竹オモリやウッドシンカーのように、小生以外にも色々と遊び心を持ちながら造っている方が居られるのだ。  そこで、今暫く小生が手掛けたものではないが、頂いたそうしたモノの中から、面白味のある幾つかをここに連載してみたいと思う。 写真のモノは、堀オリジナルの絵柄のウッドシンカーである。左の青タンウッドには龍が、右側は「パトリオット」と言う物騒な名の付いたウッドシンカーだが、それぞれに絵柄や文字が描かれている。 堀工房さんの作品は、タン…

Loading

2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

アーカイブ