我が鱚介工房で試作したテンビンの種類は、それこそ100種を超えて居ると思う。・・・そして、その中の幾つかは製品化し、販売もしてきた。
人様から、造ったお前さん自身から、これぞテンビンだ!完成品だ!と云えるものはどれか?と聞かれたら、それは「真打ち」である。
その「真打ち」には赤(0.8?)、黒(1.0?)、藍(1.1?)、黄(1.2?)の4種類ある。・・・が、最初に造り販売したものと、今の製品とは少し違う。自分自身使い込んで、また、多くの方の実釣経験から寄せられた意見を基に、長さや曲げ位置、丸目(アイ)などを改良し、今の完成形に落ち着いたのである。
・・・先に、テンビン造りの難しさみたいなことを言ってしまったが、そうした意味からは、今販売している他の種類のテンビンも、マダマダ改良の余地があるのかもしれないと思って居る。
実は、写真のモノは、沢山の試作品の中に紛れ込んでいたテンビンである。
確か、山陰・鳥取の方が造ったもので、投げ釣り選抜100人の会に参加した時に何方からか頂いたモノである。
しかし、正直言ってどう使うのか、どのような意図を持って造られたテンビンなのかが分からなかった。
頂いた時に「ギザギザがあることでテンビンアームが捩れずに、ハリス仕掛けが絡まずに真っ直ぐに飛ぶ・・」と言っていたようなことを思い出したのだが・・。
普通、テンビンにはオモリを付ける側にスナップスイベルが付けられているのだが、これには全く何もついていない。 だから、チカラ糸の側、オモリの側、ハリス仕掛けの側が良く分からないままであったのだ。
今取り出し、写真を撮ろうと思い、あれこれ考えながら、オモリを付けるであろう側にスナップスイベルを付けてみた。・・写真がそれである・・が、まあ、これで良いのかなと思う。
当然使ったことは無いが、こうして良く観てみると、確かに造った意図みたいなことが分かってきた。
使用線は1.1?径で、ギザギザ部分を含め全体が形状記憶加工されている。造りも複雑精巧で、焼き付け塗装されている。・・製作費の方もきっと掛ったろう。
3本あるが自分としては「お宝物」で、使うことが出来ないでいたが春になったら是非一度使ってみたい。もし、これをお読みになった方で、詳しく知った方がいたらお聞かせ頂ければ幸いである。
これもテンビン??
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執筆者:高澤鱚介