あと数時間で「平成」は終わる。正月以来、巷ではよく平成と言う時代を捉えて「あなたにとっての平成は良かったのか?悪かったのか?」と云った聴き方がされてきた・・。
当然、自分としても人並みには考えてきたと思うのだが、しかし、その答えを纏められないままで、最後の今日を迎えてしまった。
この30年間、良いことは一杯あった! 悪いことも一杯あった!
良いことは中々思い出しにくいものだが、思い出すと目じりが下がり、笑みに繋がる。
それに比べて悪かったことは、ざっくりと切られるような思いが脳を過り、顔を顰めざるを得ない・・。
両者を足して、2で割っても割り切れるものでもないが、どちらかと無理やり聞かれるのであれば、嫌なことの方が多かったのかもしれない。・・・それが小生の結論なのである。
中でもこの一つだけは、何れとも比較出来ない「自分の人生観を変える」強烈な出来事だった。
平成16年に一人息子を突然死で失ったことだ・・。全ての原因を自分に被せ、耐え忍び、悲しみを覆い隠してきた数年を思い出す。
・・同時に、失って気が付いたことは多々あった。 生命のはかなさ、生きることの難しさは当然だが、自らの余生、家族の在り方なども考えさせられた。
加えるならば・・・、こんな事、こんな時、支えてくれたのが、先輩、友人、知人の存在だという事も・・・。
健康な余生を送る中で、確実に自分自身を慰めてくれるのは長く続く「投げ釣り」だと思う。
今も多くの良き釣友に恵まれ、日々楽しんでいる。しかし、この平成の中での出来事を思い起こすと、楽しいことばかりでは無かった。誤解がもとで袂を分かった釣友、会の運営方針から離反した釣友も居る。
・・考えれば、詰まらないことだったと思う。その頃には、今のような寛容さを持って居なかったのかも知れない・・・。
そして、間もなく「令和」の時代を迎える。
失った息子は、幸いにも一人の孫娘を遺してくれた。彼女はもう高校二年生である。「令和」の時代を創ってくれる中心は、彼女ら若い青年たちだろう!! きっと、平成を超えた良い時代を築いて行ってくれるに違いない!!・・大いに望みたい。
付け足しだが、我が人生はこの新しい「令和」で終わろうが、今年もまたマダマダ元気で過ごしたいと思って居る。
因みに、長生きのコツは「馬前に人参をぶら下げ、走らせる!」ように、我がカレンダーの6月には「鳥取〜島根」、7月には「富山〜金沢〜能登」へと遠征釣行計画がぶら下がっている。
今、傷めている足を直そうと治療に専念できるのも、この計画が人参そのものなのかも知れない。
ただ、鱚介オリジナル工房の方は、そろそろ終盤を迎えつつあるような気もしている。何時まで続けられるかは、今のところ、神のみぞ知る???と言っておきたい!
「平成」の終わりに思うこと
投稿日:
執筆者:高澤鱚介