水温が18度となった。だが、鎌倉あたりではもう赤潮が出たと言う。平塚海岸では未だ見えないが、水温が上昇してもキスが全く居ない。早朝から頑張っても精々1〜2尾の顔が見れれば上々で竿頭・・。そんな厳しい状況が今も続いている。
海岸に出る道すがら、路傍には幾つも咲く花がある。広い渚プロムナードには、歩道を被うように、白い房花を付けた数本のニセアカシアが咲く。・・海岸近くの垣根には、生垣状に絡んだスイカズラが、一夜明けて黄色くなった花ガラとともに小さな白い花を咲かせている。
思わずカメラを出して美しく咲くその姿にシャッターを切るが、残念ながら、甘いその香りまで移し取ることが出来ないのが残念である。
今朝も早くから、平塚海岸のテトラを外れた右手で投げていたが、全く魚信は無い。5本針に付けたエサは、そのまま上がってくる。・・・何回も何回も投げた!!
一度だけアタリがあった・・。・・が、それは大き目のヒイラギ・・・。でも、このヒイラギは温かい潮に乗って来る魚だ! 間もなくキスも寄って来るのだろう・・。そんな期待を感じさせてくれる一尾だった。
背後を振向くと、砂堤にピンク色の絨毯が敷かれているのが見えた・・。今を盛りと咲き始めたハマヒルガオの群落である!
さっそく近寄ってカメラに収める・・。この沢山の花は、自然がもたらしてくれたには違いない。だが、それだけで、こんな見事には群れてはくれないだろう。・・・そう、花好きの何方かが、丹精込めて地道に増やしてくれて居るに違いない。
最近は、釣れない釣れないと不満を覚えることが多いが、少しだけ違った方向に目を向けると、何とも違った世界が見えてくる。
単に、視覚からだけではない。豊かな自然の在り様が五感を超えて知らされる。・・こんな時、ああ、釣りに趣味を持っていて良かった!!・・・そんな、喜びまで感じさせてくれるのである。
鱚は不在だが・・
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執筆者:高澤鱚介