舘野鴻絵本原画展・・感動!!

投稿日:

 昨日、生物写真家の久保秀一さんからの誘いを受け、女房共々、相模原市立博物館で開催中の「舘野鴻(たての・ひろし)さん」の“ぎふちょう”を主題とした絵本原画展を観覧してきた。 舘野鴻さんは、私が尊敬した“熊田千佳慕画伯”のたった一人の本物のお弟子さんで、少年時代から、チカボさんが「埴生の宿」と呼んだ農家の納屋を改造した小さな家に通い「細密画」を学ばれた良き青年である。・・とはいっても、今はすでに脂ののり始めた45歳、・・・苦学しながらも、久保さんのご指導等も手伝って本気になって努力を重ね、何冊かの絵本や、図鑑や児童書の静物画、解剖図プレートなどを手がけている。 これらの原画が全て掲げられた会場で、彼がにこやかに迎えてくれた。そして、一枚一枚の原画を根気よく熱意をもって説明してくれたのである。  ともかく、この絵を描くことの大変さは良く分かる。師匠のチカボさんは、筆先だけを使ってA3くらいの大きさの画用紙に昆虫などの絵を描き、1枚を仕上げるのに何か月も掛かっていた。正に、彼はそうした誰も真似できないような描き方を継承しているのである。 一つ感じたのは、彼が描く絵のすべてに「命」を感じさせることである。・・小さな虫も、一生懸命生きている。・・生ききるために、生きる自然の連鎖を大事にする。・・そんな秘めが感じられるのである。  そしてもう一つ、チカボさんは対象を絞って観察し、写実し、あまり影を付けなかった。しかし彼の画は、「対象」が大きな自然の風景の中に存在したり、他の対象と共存したりもする。絵筆の先を使った「点」からの構成でなく、細線を多く使ったり、べた塗りの部分もあったりと、チカボ流とは一歩違った画風を感じるのだった。 この原画展は10月27日まで行われている。多くの子供たちにも、子供を育てる親御さん、教育に携わる先生方にも是非観ていただきたいと思う。 豊かな生活の中にあって、欠けた何かが見えてくるような気がする。そんな素晴らしい原画展であった。  最後に、以前このブログで紹介した、熊田千佳慕さんの追悼記事(09・8・15 享年98歳)を読み直し、ちょっと触れてみた。  これはブログに寄せられた生物写真家の久保秀一さんからコメントです。「ブログを拝見しました。何にでも終わりは有るものでしょうが、せめてあと数年、神が力を貸してくれたら・・と思います。舘野くんの「しでむし」を熊田さんに見てもらえたのが本当に良かったと思います。 NHKテレビに、熊田さんと舘野くんが2人で出た時、刷り上がったばかりの「しでむし」の色校を見ながら、熊田さんは涙を流しながら、「君もいよいよ貧乏生活の始まりだね」と言っていたのを思い出します。」・・久保そして、私もちょっと触れました。 熊田千佳慕さんの弟子と名乗る方は沢山居られるようですが、私は舘野鴻君が唯一のお弟子さんではないかと思っています。本年3月、初めて偕成社から“子育てをする虫・しでむしの一生”を、緻密で美しい絵で綴る絵本として出版されました。また、コメント頂いた写真家の久保さんは、若い館野君をバックアップされている方でもあります。(鱚介)

Loading





-未分類

執筆者:

関連記事

寒空に残鱚求め並ぶ竿

期待の竿が並んでいた 寒さが増す中海は波が無く実に穏やかだった。見た目にはマダマダ鱚は居そうな気配・・。だが、昨年と違ってキスは早々に去ってしまったようである。ただ、それでも、何尾か釣れた!との情報が …

Loading

平塚海岸 小休止か??

すばしっこい砂ガニ!! 9月に入り、砂浜からの海水浴客も居なくなったが、同時にシロギスの姿も消えてしまったようである。 1日(水)は、早朝から芳しくなかった。あちこちと探り歩いて10数尾をモノにした釣友も居たが、それとてごく限られた狭いポイントであった。 2日(木)は、ウネリが入り、東海岸はサーファー日和。西側はそれこそ波足が長く、キスの姿は全く無かった。  そして今日、早朝からサオを出してみたものの、ピンギスさえ疎らになってしまった。やった時間は7時までのほぼ2時間だったから、後に残った…

Loading

no image

鱚介の直感遊動テンビンの誕生です

 またまた、鱚介オリジナル工房からの新製品のPRです。閑だった期間あれこれと新製品の試作等を進めてきましたが、今回新たに自信を持って通用できるテンビンが完成しました。(一部サイズ等の変更と種類を追加し文を修正ました。22.4.16)    名称は、「鱚介の直感遊動テンビン」です。 テンビンには色々な構造のものが市販されていますが、極端に言ってアームが海底から立つL型テンビンと、富士ジェットテンビンのように海底に水平となるものに分かれます。 新たな、「直感遊動テンビン」は、海底を水平に這う「湘南テンビ…

Loading

no image

平塚海岸 テトラ前のチョイ投げ!

 6時頃、昨日の残りエサ東京スナメを持ってテトラ前に行ってきた。海水浴場となる海域にはブイが浮かんでいる。数日前に入れられたそうである。 先行している釣り人達は、ブイから遠く離れたテトラ西側にかたまっている。多分、情報があってそこに集まっているのだろう。・・・幸いにしてと言うか、テトラ前はがら空きで、知り合いが一人いただけ・・。  小生、今日は最初からテトラ前の浅場でのチョイ投げと決めている。竿はキャスティズム2.8m、2ピースの竿で、リールはベーシア25である。オモリは景山タングステン20号(単ガ…

Loading

電気ブラン

2013年の2月に何をしていたか見ていたら、こんな写真があった。浅草の町を歩いているとき見つけた「神谷バー」・・神谷バーは明治の中頃、日本で初めて出来たバーだそうな!・・学生の頃、一度だけ行った思い出 …

Loading

2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

アーカイブ