明けましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 子供の頃、相模湾の二宮海岸でキスの投げ釣りを覚えて70年、時が流れ“釣り道具の進化”には凄いものがありました。私自身、これを大いに享受させてもらいながらの今があります。とは言うものの、今、釣り具の進化は行き着いたように感じますし、改良はあったとしても現状を超える進化は不要だとも思っています。 加えるならば、完成された釣り道具を今、釣り人自身が如何に使いこなすのか!!・・が、残されているように思います。 一方、釣り場の環境はこれとは裏腹に、益々悪化していることを強く感じます。全国の砂地に住むシロギスの居場所は狭まり、当然、釣り場は減りつつあります。また、本当に地球温暖化が要因なのかどうかは良く分かりません。でも、シロギスが釣れなくなったことは事実です。・・“釣れないから居ない”という言い方では、何ら科学的根拠にはならないと言う方が居られます。しかし、多くのキス釣り場で、実証、実験的な釣行を隈なく繰り返す“投げ釣りマンの声”が、この真実を語っているのです。 今、手元に公益財団法人:神奈川県栽培漁業協会発行の「さいばいニュース」が届きました。理事長(太田 議:長井町漁業協同組合長)の新年ご挨拶の中に、これを裏付け、我々釣り人にとっても大事なことが書かれています。 以下、引用させていただきましたので、漁業=釣り、漁業者=釣り人と、置き換えてお読みいただければと思います。【相模湾の漁業は黒潮の大蛇行が二年以上も続く中、漁場環境が変化し、魚種、漁期、及び操業に大きな影響を与えています。 (・・中略・・) 地球温暖化による海水温の上昇で海藻類が繁茂しづらくなり、さらに人間による地形改変によって、水産動物の生息環境が悪化し、それによって生活環が断ち切られ、資源が回復しない悪環境が生じ始めているようです。 漁業にとって自然環境の保全と回復、そして漁業管理によって資源の再生産を確保していくことが漁業の増大への道筋だと考えますが、これを実行していくには漁業者だけではなく、人間生活の構造をも変えていくことが必要です。魚、海、自然の大切さを漁業者から県民に対して発信していくことが求められています。】 私たち釣り人も、こうした環境下での釣りを意識し、魚を愛し、釣り場を大事にしていきたいものだと、新年を迎えた中で改めてそう思いました。 (記:神奈川県栽培漁業協会 評議員:高見澤佑介)