投げ釣り釣行記

神島に巨ギスを求めて

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巨ギスには届かなかったが・・

 神島?どこかで聞いたような島の名だが? そう、この神島とは、巨ギスを求めて釣行した伊勢湾口の伊良湖水道に浮かぶ「神島」である。
 島は、渥美半島先端から私営航路の定期船で約20分の所にある。島の行政管轄は、当然、愛知県と思っていたのだがそうではなく、対岸の三重県鳥羽市であった。だから、通常の生活圏は鳥羽であり、交通も鳥羽からの航路が主となる。・・渥美半島の伊良湖からは裏口なのかもしれないが、以東から行くには距離も時間もその裏口からの方が便が良い。
島の戸数は約200世帯で、その殆んどは漁業関係者だそうだ。沿岸は資源の宝庫なっている。だからと云うのか、一般の釣りは「指定された場所以外は出来ない」とも聞く。

 15日、午前2時。釣友、二宮敬司さんが自宅まで迎えに来てくれた。目的地には、東名秦野中井インターから浜松西インター下車、国道1号線に沿った浜名バイパス〜潮見坂〜伊良湖岬となる。
 午前6時少し前、連絡船波止場の駐車場に到着。定期連絡船の出航時間は午前7時。車内で朝飯をとった後、釣り場には不要な荷物は邪魔だからと、必要最小限の釣具を整え船に乗る。船賃は往復で2000円。ただし、前払いで、切符も無ければ乗船名簿すら無い・・といった、チョット変わった70人乗りの定期船である。
 
 船は、神島漁港の入り口にある堤防に、釣りをしたい云う客を先ず降ろす。いわゆる瀬渡しみたいなものである。そして一般客は内湾の桟橋で乗り降りする。漁港は島の北側に位置し、この漁港を中心に全ての住戸が扇状に一団の集落を形成している。港を出た所に郵便局があり、商店があるのをみた。・・何となくだが、ここには、小さいながら一つの生活圏があって・・何故か、安心みたいなものを感じるのだった。

 我等の投げ釣場は島の南側、漁港から約15分位の所にあり、急坂を登り一山超えて、下った所の「古里の浜」というところである。ケモノ道みたいな山道を下ったところに・・確かに砂浜があった。しかし、その浜からは投げられない。ほぼ渚の前面に、全てにわたって波消し用のテトラポットが並べられている。聞いていたとおり、釣りはこのテトラ上からとならざるを得ない。ただ、それ程大げさな規模でもないし、巨大テトラでもないから波さえ静かなら危険は少なそう。しかし、安全には安全を重ねてをお互いに確認する。
 
 釣り場に慣れた二宮さんの誘導で、平らで安定したテトラ上に座を構えることが出来た。今日は、滑りにくい安全な靴を履いてきたし、テトラは適度にすり減って乾いているから滑ることは無さそうだ。これなら足腰が弱りつつある私にも十分に投げられる。
 また、魚を引き抜くには、長めの竿が必要だ。私が持参したのは少し古いが、シマノのプロサーフαズームと云う投げ竿。通常4.20メートルが、4.90メートルまで伸ばすことができる。使用する針はリュウセンのケン付き10号で、2本バリとした。モトスは2号、エダスは1.5号、共にフロロカーボンである。これに、青イソメと東京スナメを一匹掛けにする。
 
 二宮さんから、投げる方向、距離、根の状態などを克明に聞き、第一投を正面やや右の3色に投げてみた。 
 暫らく待つが、魚信(アタリ)は一向に無い。左隣に構えた二宮さんの2投目に、何と23センチ級がダブルで来た。・・・流石である。しかし、どうやら魚影は少なそう・・数投後、2色付近でやっと私にも来た。同じく23センチ級がダブルであった・・先ずは良し良し・・だ。
 
 実は先週の土曜、二宮さんは横浜の〇〇さんと、ここに来ている。その〇〇さんの最大28.5センチを筆頭に、2人で、全て23センチ以上の巨ギスを10数尾釣っている。
 もちろん、この私も、その情報に釣られて今日ここに来たのだが、・・・頭の隅っこには、釣り切られてしまったから、もうここには当分いないかも・・???そんな思いがしない訳では無かった。

 少し、遠投してみた。・・・確かなアタリだ・・だが、もう1尾の追い食いを期待し上げるのを我慢した。そして、次のアタリは凄かった。・・そのアタリからしても巨ギスではない。明らかにヒラメの喰いだ。じっくり、やんわりと上げに掛かるが、どうやら相手は相当な大物のよう。・・浮かせて上げようとするが、直ぐに底に突っ込む。・・時間を掛けやっとの思いの中、段々と近づいてきた。しかし、どうやって取り込むの???タモなんか無いし、二宮さんも移動してしまって、助っ人は傍に居ない。抜き上げられるかな??っと、やや弱気になったときだった。下へ下へと突っ込んでいた相手が、いきなり突き上げるように上を向き、かつ横に走ったのである。
 水面近く、確かに姿を見せた。・・大きなヒラメだった。充分、両手で示せるだけのモノだった。
 軽くなってしまった仕掛けに・・、大きなシロギスが1尾残されていた。腹は裂け、全身創痍となった哀れな大ギスだった。計ってみると、優に25センチを超えていた。アワセを我慢し、この大ギスを飲み込ませてしまえば・・或いは、この憎いギャングをゲットし、恨みを晴らせてやったのかもしれないが・・・。
 シロギスを追いかける投げ釣りマンにとっては、例えそれがタイであろうとヒラメであろうとも、それは外道である。正直、まったく悔しくも何とも無いが、ただ、無惨に引き裂かれてしまった大きなシロギスが無念でしょうがない。

 午後2時、帰り船の出船時間である。潮が引いた砂上のテトラからヒョイと砂浜に降り、白砂に転がった小さな貝殻を幾つか拾い集め、初めて訪れた「巨ギスの釣場」からの帰路に付いた。




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仕掛けを見て!!

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ポイントは岩周り?






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