鱚介オリジナル工房

「W・スライド」 テンビン

投稿日:

画像(180x135)・拡大画像(480x360)

W・スライドの心臓部

 ピタッと書き込みが無くなったが、どうしたのか?・・そんなメールを頂いてしまった。
 決して体調を崩した訳では無い。ただ、性分なのだろうか、どこそこが釣れ盛っていると聞くと、何故か行きたくなくなるのである。歳?暑さ?と云われれば、そうかもしれない。・・が、昔から、そうした天邪鬼(あまのじゃく)的傾向はあった。

 いま、湘南から西湘の海岸では例年に無いように良く釣れて居る。・・行かないまでも、情報だけは色々入る・・。
 だが、過日、ある程度満足した釣りをしており、なおも追っかけ、もっと釣りたい!!・・とは思わないのである。

 ならば、何してたのか?と云うと、造るのが一番嫌で、嫌いなテンビンを造っていたのだ。
 ・・何種類かある「鱚介テンビン」だが、その中に「W・スライド」と言うのがある。以前ここに書いたが、地元釣り仲間の土井さんが考案したもので、少し手を加えて完成した優れものである。
 実は、これが意外に人気が高い。・・決して多くの方からでは無く、特定のマニアックな方からの注文が入るのでる。

 構造は、写真から判断してほしいのだが、これを造るのが実に大変なのである。構造が複雑で、細かな作業が必要なのでる。・・・したがって在庫が少ない。
 
 これを完成させるには、針金を既定の長さに切り、油落としのため洗うことから始まる。・・幾つかの部材を造り、終盤でこれを組み合わせる。そして最後に検査し、パスしたものだけを、パソコン造ったラベルを張ったクリアパックに入れ、完成させるのである。

 ざっとだが、手作業で行うこれら工程を数えると、実に30工程以上をこなさねばならない。その都度、治具を変え、工具を持ち換えて、挟んだり、曲げたり・・・手のひらには、何時の間にかマメが出来、固まってしまっている。・・
 何から何までわが身一人、我が手一つで、全てをこなさなければならない。・・ふと、そんな手の平を見ると、すっかり職人になった自分をそこに感じるのでる。

・・いま、ここにやっと100組(200本)程の「W・スライド テンビン」が出来上がった。
 
 正直言って、注文があるたびに、もしや「W・スライド」
の注文か??・・・で、なければ良いのだが・・、もう残りは少ない、造るのは嫌だ!・・・できれば造りたくない!
 そんなビクビクした状態から、今暫くは解放されそうである。
 でも、・・・喜んで使ってくれる釣り仲間からの注文がある限り、造り続けねばならいのだろう。


 明日から24日まで、富山〜石川〜能登方面に釣行する。後頭部に強い日差しを受けながら、日本海側のキス本番を楽しみたいと思って居る。


画像(135x180)・拡大画像(360x480)
画像(180x135)・拡大画像(480x360)

画像(180x135)・拡大画像(480x360)
画像(180x135)・拡大画像(480x360)





-鱚介オリジナル工房

執筆者:

関連記事

IPPO S/V ウッドシンカー用 新発売!!

右が新しいウッドシンカー用です 今回は、我が「鱚介オリジナル工房」からのコマーシャルです。  投げ釣り界で活躍する力石一穂氏の推奨による「鱚介テンビン:IPPO SUPECIAL VERSION」に新たな「ウッドシンカー用」が加わりました。 IPPO S/Vは、投げ釣り界の第一人者である力石一穂氏の経験と実釣から推奨戴いた「投げ釣り専用のテンビン」で、鱚介オリジナル工房が素材等を厳選し具現化したものです。  IPPO S/V の目指すところは、これまでの鱚介テンビンより更に「食い込みを重視…

Loading

「半ぶら:テンビンオモリ」 新発売!!

ウッドガン・メタボ      L型トライアングル固定     接ぎ穂SMABS ウッドガンに新たに「半ぶら:テンビンオモリ」が加わりました。投げ釣りでのテンビンとオモリの関係は、テンビンとオモリをフックスイベルなどで接続した、一般的に「ブラテン」と云われるもの、また、テンビンとオモリを固定化した「テンビンオモリ」と云われる2種類があります。 二つの、1番の違いは「ブラテン=アタリの良さ」と「テンビンオモリ=遠投性」にあると考えられます。 これらは釣り人の好みによって使…

Loading

鱚介の直感遊動テンビンの誕生です

これが直感遊動テンビンです またまた、鱚介オリジナル工房からの新製品のPRです。閑だった期間あれこれと新製品の試作等を進めてきましたが、今回新たに自信を持って通用できるテンビンが完成しました。(一部サイズ等の変更と種類を追加し文を修正ました。22.4.16)    名称は、「鱚介の直感遊動テンビン」です。 テンビンには色々な構造のものが市販されていますが、極端に言ってアームが海底から立つL型テンビンと、富士ジェットテンビンのように海底に水平となるものに分かれます。 新たな、「直感遊動テンビ…

Loading

ハリ抜き(ハリ外し)発売!!

虎斑竹のハリ抜き! 世界的にも珍しく、日本で唯一高知県の須崎市に育つ貴重な竹「虎斑竹」で、ハリ抜き(ハリ外し)を造りました。 現地から取り寄せた虎斑竹を適当な幅に割り、一本一本丁寧に、削り、穴を空け、細かな細工を加え、磨き、最後にエポキシ樹脂で強化塗装を行うなど、全てを手作業で行いました。 ハリ抜きの存在は薄いですが、投げ釣りには無くてはならないもの。こうした小物でも、完成まで実に20数工程もかかりました。 また、工業製品とは違い手造りのため画一化したものは造れません。太さが不揃いだったり…

Loading

形状記憶合金のアーム

試作中・・・ 今、全く発想を変えたテンビンオモリを試作している。  発想を変えたと言うのは、写真に見る通りの、単にウッド部分からアームを出した形だけのことではない。 実は、このアームの素材に、ニッケル・チタンの形状記憶合金「KIOKALLOY」の1ミリ径を使ったのである。 友人が医療系の鋼線を直線精密加工をやっており、その彼から、紹介された新素材である。 この線材の名称は「KIOKALLOY」と云い、ニッケルとチタンの合金で、軽量、高強度、耐食性に優れた「大同特殊鋼KK」の最新素材である。…

Loading

2024年5月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

アーカイブ