形状記憶合金の針金を使ったテンビンを、工房では「SMAB」と名付けています。また、テンビン・オモリは「SMABS」と言います。何れも造語ですが、今は定着したようです。
この形状記憶合金を使ったテンビンは、ステンレス線とは若干異なった機能を感じ、投げ釣りをよく知ったベテランが好みます。・・が、正直言って使うには難しく、その差を明確に表現しにくくもあります。…まあ、使ってみないとその良さがわからない!・・というのが本心ですが、私自身は今やこれを常用するようになってしまいました。
工房で使っている形状記憶合金は2種類で、何れも直線形状をもった径が1.0ミリ(超弾性白肌)と0.8ミリ(超弾性黒肌)のものです。また、特殊な素材で価格が高価であることが普及ンを邪魔すること、また、ハンダなどが使えず加工が難しいことが欠点でした。
実際に、工房ではこれまで何種類かの「SMAB/テンビン」を造ってきましたが、常に抜けの心配がありました。実際に、何人かのお客様からも苦言をいただいたこともあります。
実は、そうした今日、ある加工技術を会得し、テンビンアームの先につける丸目(アイ)も、テンビン基部との接続も確実に固定できるようになったのです。詳しくは企業秘密で公開できませんが、これからはもっと身近な釣り具として普及できるのではないかと思っています。
今、改めて既存の「SMAB/テンビン」を見直し、安心して使えるものへと改良をしつつありますので、これからはすべてこの新しい技術から生まれたものをお使いいただけます。