先に発売した「鋭感一直」には、軟、中、硬の3種類があり、釣り人が目的とする釣りに合わせて選んで頂きますが、これに引き続き「軸部」も「アーム部」も形状記憶合金を用いた多用途に使える最新のテンビンが完成しました。名称は「鋭感一直:ALL SMAB 」(1号)と言います。
軸部は1.0㎜径、アーム部は0.8㎜径の形状記憶合金ワイヤー、繋ぎは直線継ぎではなく、2線重ね、Wクリップのカシメ止めで頑丈に作りました。また、上下の丸目(アイ)は構造上に足を出し、ここもWクリップでカシメ止めし、過荷重での口の開きを防止しています。さらに、カシメた部分には熱収縮ゴムを嵌め、丸目部分と共にエポキシでコーティングをしました。
長さは先のものと同じ27㎝、また、軸部にはオモリの遊動範囲を調整できるようカラー付きのゴムを嵌めこんでいます。
先のステンレス線との差異は、オモリや仕掛けの荷重が異なっても投げた時の空中や海底への落ち込み時に全体が弧を描いたような形となって、「絡みにくい」という特徴があります。言うなれば、この1本があればどのような場面に於いても、多様性を持って使えるテンビンだと言えることです。
実は、昨日のブログで62㎝、2.3㎏の大ヒラメが釣られたことを掲出しましたが、ここで使われたテンビンは、正にこの「鋭感一直:ALL SMAB」の試作品でした。勿論、対象とするキスはピンからヒネまで、オモリも15号から27号まで自由に対応し釣果を得ていました。
さて、欠点は価格です。形状記憶合金はもともと特殊加工金属として、材良、材質、製作加工に多大な先端技術を要すると言われ、特に、今回用いた軸部の線は医療系器具に使われる特殊なものです。釣りの世界、特にカーボンロッドは日本の先端素材、先端技術から生まれたと言いますが、この「鋭感一直:ALL SMAB」も、こうした先端技術からのお裾分けと言っても過言ではないと思います。さらに、加工の難易度、工程等からも作成に時間と技術が要求されます。・・・そうしたことから、価格は1本あたり800円とさせていただきました。
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