2ヶ月に一度、旨い蕎麦が送られてくる。誰かからの贈り物ではない。数年前、電話の勧誘に乗ってしまい、いまだに縁が切れない・・と言うより、以来贅沢させてもらっている。電話の勧誘だからお読みの皆さんの中にも、一度はその勧誘の被害者?になった方が居るかも知れない。電話勧誘は多くの場合不愉快なものが多いが、食い物に関しては、注意しながら一度は試してもよいと思っている。これまで被害や騙しに会ったことは無いが、定期的に送られたものは大概3度位で飽きてしまう。だが、この蕎麦は3年ぐらい続いているから、私自身は「本物」と評価しているからだ。
2ヶ月に一度届くその蕎麦は、1週間以内に喰ってしまうならチルドで保存すれば良いが、それ以上であるならば冷凍保存が必要である。能書きを守れば、確かに食味を損なわずに1ヶ月は大丈夫である。こんなことを云うとメーカーとの関係を疑われそうだが、そんなことは無い。
因みに、我が家は夫婦2人だから、6食(3回分)を取っている。気になる価格は?・・すぐに金のことを云うと下種の謗りを受けそうだが、送料込めて3970円、1食分が660円である。安いか高いかはこの際問題でないが、当然のこと、蕎麦ダレと海苔は付いて来るし、時には辛味ダイコンや七味唐辛子なども付いてくる。蕎麦を茹でる時間は1分30秒に限られている。細生麺であるから、微妙な時間が要求されるようである。
今日は、着いた当日だったから生麺をそのまま茹でていただいた。主食の前には何時も、奄美大島・沖永良部島産の黒糖焼酎30%をお湯割で飲む。妻の、何時になっても愛妻だが・・出してくれた肴が「今日はスーパーの時間特売で買った」と言う、アルコール臭い50g入りの「粒(ネリ)うに」だった。私は貧乏性なのか「生うに」より、「塩うに」とか「焼きうに」とか加工されたものの方が好き。
卓にあった新茎ワカメ(メカブ)に混ぜた一品、ネギの小口切りにまぶした一品の、その味は実に黒糖焼酎に合う。勿論、日本酒だって合う筈だ。規定の二杯を飲み終えた頃、さあどうぞ!と、「1分半」後が、卓に置かれた。
実は、そこで未だやったことの無いことに挑戦してみたのである。食いしん坊を自負する小生、自信を持って「蕎麦じょご」に付いてきた「タレ」を入れ、瓶詰めの「粒うに」を入れたのである。薬味のネギとワサビも少々入れた。
細めの竹箸でスッと蕎麦をすくい、タレをたっぷり(本当はチョッと付けてと格好良くいきたいのだが、通でない私は何時もこれを咎められている)と浸けて、そっと口に運んだのである。・・・旨い。それこそ「旨い!」の一言である。こんなこと誰もやったこと無いだろう?私の言葉に釣られたかどうかは知らないが「うに」が嫌いでない愛妻も、同じようにこれを試す。・・無言の中に「今度はもっと美味しいうにを仕入れてきますからね!!」・・だって、そんな・・オレ様よりも上をいく言葉が投げかけられたのである。兎にも角にも絶品であった!
「うに」は、九州でも下関でも、魚津でも新潟でも、青森でも北海道産でも・・何でも良い。瓶詰めの一瓶1000円前後の「うに」を買ってきて、一度お試しあれ!!正に身近な中に、しかも素朴な素材の中に絶品のグルメを見つけたといって良い。新発見だと思う。・・・何日後かに、何処かのテレビ番組で、らしき食いしん坊が「私が見つけたマル秘、絶品蕎麦!!」などと叫んでいる姿を想像してしまった。
秘伝の蕎麦たれ!お試しあれ!!
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執筆者:東京湾展望台