25日から沖縄に行ってきた。今回で5回目の沖縄遠征となるが、昨年は遂に念願の32センチのホシギスをゲットした。
メンバーは前回と同様、村越正海さん、宇都木朗さんの3人。それに、何時も迷惑を省みず面倒を頂いている佐久川政一郎さん。また、沖縄でただ一人の投げ釣りマンと言われる安座間尚さんに加わっていただいた。
さらに今回は安座間さんの案内で、ホシギスよりも激減し釣りの方も数段難しいと言われる「モトギス」を狙うことにしたのである。・・結果は、小生と宇都木さんが小さいながらも人生初めての「モトギス」をゲットすることが出来た。
釣行記は簡単にする・・。
25日午後、糸満の「つりぐ:みなと商店」に頼んでおいた「島ミミズ」(@500)×3パックを各自受け取り、糸満から豊見城周辺までの小浜や小堤防などの小場所を狙ってみた。だが、残念ながらホシギスすら姿は見せてくれなかった。
夕刻、釣り仲間の合田女史が勤める沖縄料理「アシビウナー」に行き、村越正海さんの知人であるミュージシャンのモンパチ(MONGOL800)のメンバーや、元プロサーファーの今村大介さんらが集まって懇親会を開く。・・楽しい会話と美味しい郷土料理、それに泡盛「咲元」をほどほどに飲んでこの日を終えた。
26日午前8時頃、宜野座村の漢那漁港で安座間さんと待ち合わせる。彼とは20年前に一度お会いして以来で、しっかりと握手を交わした。・・今回の沖縄遠征用に造った鱚介のウッドガンと鱚介テンビンの詰め合わせを土産に手渡す。
さっそく、彼が示した砂浜の、波口に近い浅場方向に投げ込んだ。待ちを主体に釣り始めて暫らくして、2人にホシギスが来た。・・そして遂に小生にも、待ちに待ったアタリが入ったのである。
・・なんと、それは「モトギス」だった!! 小生には直ぐにそれとは分らなかったが、安座間さんの「それはモトギスです!」の言葉に唖然としつつ、しばし見入ってしまったのである。
皆も集まり、先に釣れたホシギスと並べて比較分析に話が咲く。・・・体型はシロギスと同じだが、頭から口元にかけてが細く尖っている。・・ホシギスのようにヒレに黄色みが無く、細身で体高も無い。・・また、死んで薄黒い斑点が出るホシギスと比べると明らかに違いが分り、逸れは美しく気品を感じるものであった。
その後もホシギスはポチポチと釣れたが、モトギスの姿は無かった。・・・午後、昨年大物が出た北中城村の熱田漁港の西側の石畳に行ってみた。
残念ながら「ここにはモトギスは居ない。」と言われたが、ならば何とかホシギスの大物をと狙ったが、釣れるものは小振りばかり。釣れるものは、ガーラの子、ユダヤガーラ(こっちのヒイラギの大きなヤツ)、ヘダイ、ワタリガニなどの外道ばかりだった。
27日は早めの7時半ごろ、南城市佐敷のゴロタ海岸に着く。ここは沖合いに広がる砂州に向けた遠投場所で、勿論モトギスの狙い場所である。潮の引いた早朝から、上げにかけての時間帯を狙った釣りである。
ゴロタとは言えゴツゴツした珊瑚の塊のような石が敷き詰められたような海岸で、それにコケが生えており滑りやすく投げにくい。おまけに右手からの風が強く寒い。
そんな中、先ずはホシギスが釣れ始めた。暫らくの後、遂に宇都木さんに本命のモトギスがきた。・・彼も生涯初めてのヒットだ。・・喜びの笑顔は隠せなかった。
その後も、潮がひたひたと押し寄せる中、村越さんに23センチのホシギスが1荷でヒット。以後、ポツポツと来るのはホシギスばかりだった。
早めの昼食に安座間さんのお奨めの沖縄ソバを食べ、北部名護市の辺野古漁港を目指した。・・・しかし、そこは全くと言ってダメだった。帰りがけ、うるま市の石川海岸に立ち寄ってみた。聞く所、ここ数日ホシギスが沢山釣れ、昨日は3人で100尾以上も、30センチクラスも何尾か釣れたという。確かに、佐久川さんが岸壁から投げていた釣り人の様子を見てきたが、この日も30尾近くバッカンに入っていたと言う。夕刻も迫り、急いで海岸からサオを出してみたが残念ながら既にホシギスの姿は去っていたようである。
今回の釣行にあたって、沖縄一の名手である安座間さんの案内のもとに、キス釣り人生60年、生涯始めてのモトギスを釣る事が出来た。ただただ御礼を申し上げるしかない。
数は1尾ではあったが、これで次の目標が明らかになった。次回の予定は今定まらないが、モトギスの盛期であると言う秋から晩秋に是非とも来たいものだと、既に気持ちが動き初めている。
追 記
話しは逸れるが、日本に於けるキスの種類は、シロギス、アオギス、ホシギス、モトギス、アトクギスの5種類だと言われる。普段我々が口にする殆どはシロギスで、北海道を除く本州で釣れる。ホシギス、モトギス、アトクギスは奄美や沖縄諸島の温暖な海域に生息している。ただ、モトギスは生息域の海岸埋め立てや環境悪化が影響し、その固体はかなり減っていると聞く。
また、アトクギスに至っては西表島で発見されたと言われるが、誰かが釣ったと言う話しは未だ聞かない。
残りのアオギスだが、これは今や幻と言われるくらい激減し、国内では大分県の豊後水道に面した入り江で釣れる程度であると聞く。
投げ釣りマンとしての小生は、この5種類全てを釣ってみたいと思うのだが、幻に手を出すことには気がひける。ただ、大分で釣れるアオギスは、幻と言われながらも個体数はかなり居るようだし、多くの人が釣って食べていると言う現実も聞く。・・・意外な気もするが、そうであるならば一度は釣ってみたい気もする。
また、アトクギスのように新種と言われるより海水温上昇で、南の島から北上して棲みつくものもあって、長い目で見ると、キスの生息場所も個体数もマダマダ変わってくるように感じられるし、アトクギスなどは沖縄や奄美で釣れたり、ホシギスが本州で釣れる事など当たり前のようになるのかもしれない。