カワハギ釣りはここら辺でシーズン終了と聞く。・・と、すると、そろそろ投げ釣りの季節だが・・。でも、もう少しだけ我慢が続きそう・・。
そんな中、昨日、久しぶりに、少しだけ勇気もいったが、日常生活に戻るべく、このシーズン最後のカワハギ釣りに行ってきた。
勿論船は三浦半島小網代の丸十丸から・・。この日でカワハギの乗合船は終了だそうだ。このラストチャンスを飾るメンバーには、この道の達人である荒井清、久保秀一、早坂良行氏ら和竿の3名人が居た。まあ、その付録と云うか、お邪魔虫的存在で小生も加わらせて頂いた。また、春休み中でもあって、天才釣り少女小菅綾香さんと悦子ママも一緒だった。
小菅祐二船長は、潮が暗く動かないし、水温も12〜13度台だから、これでは今日は最悪になりそうだと言う。しばしの間、竿を出したが確かに喰わないしエサもそのままである。外道の存在も感じられないまま、・・ただ時間だけが過ぎていった。
釣れないことには慣れている小生だから、そうであってもちっとも苦痛ではない。しかし、釣れることが当り前な名人たちのボヤキというか呻きと言うか、どうやら、それを船長は感じているようであった。
また、船長にしてみれば、今日で〆るには来期に続く豊漁で終わらねばならない。・・と言う焦りもあったのか、・・・ともかく良く走り廻ってれた。
ちなみに、午後2時ころの終了近くの釣果であるが、久保師匠の5尾が最高で、天才釣り少女は3尾、和竿師の早坂名人が3尾、そして付録人は2尾・・といった貧果。
そろそろ飽きた頃だった。沖合いに凄い量のカモメの群れが、・・波立った上には大きな鳥山が立っている。
船長から、ハィ!!上げて!!の声が・・。イルカ・ウォッチングに行こう!!というのだ。
それはそれは凄いカモメの数。東西南北からワンワンと集まって来る。数千羽、いやそれ以上かも知れない。
イルカは群れをなして、円形状にイワシを追い込んでいるのだろう、幾つかのグループに別れ、数尾が固まって泳ぎ回り、頭や背びれを見せ、腹まで見せている。
腹の色や形から、船長はバンドウイルカだ! 親も子供も一緒に居ると言う。水に飛び込むカモメは、みな口にイワシを咥えている。
漁業関係者でも、これだけ大規模な鳥山を見ることは滅多に無いそうである。今日の釣れないカワハギ釣りも、これで良い記念になったと誰しもが感激をしたのであった。
さて、それから・・しばらく城ヶ島周りを釣ってみたが、やはりカワハギは居なかった。船長から、最後にどうしても行っておきたい場所があると言う。・・・かなり走った行き先は、三戸浜沖の定置網近くの深さ25メートルほどのところだった。
実は、そこで爆釣が始まったのである。一投目から、あちこちで、来たよ!・・居るよ!・・の弾んだ声が・・。
小生にも来た!!・・かなりのヤツが!!・・しかし、次の瞬間、根掛りが・・。先イトから切れてしまったのである。
まあ、今日は2尾も!釣れたし!! これで終わりにしよう・・と思ったのである。しかし、船長の、もう少し辛抱して!!の声に励まされ、急いで新たな仕掛けを取り出し結び直した。
残り少ないエサを小さく付け、落としてみた・・。・・いきなり、ガツガツッ!と、カワハギ特有のアタリが!!
多分、それから30分くらいの間だったろう。誰しもがこのときを待ち望んでいたのだ。皆、無口になって、最大の技と力を注ぎ込み楽しんだのである。
終わってみたら、小生のバケツには7尾もが元気良く泳いでいた。名人達や綾香さん達も流石で、この時とばかりに腕を発揮し、それぞれ7〜8尾を釣ったようである。
こうした中、綾香さんの釣りを横目で観察したのだが、一言で言って、仕掛けを落とし込んだ後の動作、誘い方に一芸を感じた。このときのそれは、優しい竿の上げ下げと、静かに誘って釣る姿だった。・・とても印象に残る釣り姿だ。勿論、自分もそれを自然に真似て何尾かは釣ったと思う。・・して、ここに小生にとって4人目の名人が加わったのである。
こうした、最後にバタバタッと釣れることは投げつりの世界でも良くあるが、カワハギ釣りでも同じであった。それにしても、有終の美(尾)を持たせてくれたのは、最後の最後まで諦めなかった船長のお陰である。また、止めようと諦めかけたとき、声をかけてくれたのも船長であった。・・感謝、感謝・・である。
こんなことで、シーズン最後のカワハギ釣りは思い出深き釣りで終わることができた。少しずつではあるがカワハギ釣りの面白さを知り難しさに慣れつつあるのは、シーズン中色々とアドバイスを戴いた4名人のお陰である。ありがとうございました。来シーズンもよろしくお願いします!!
らすと カワハギ!!
投稿日:
執筆者:高澤鱚介