久し振りに楽しいカワハギ釣りだった。大漁だったと言う訳では無い。・・競争意識を感じない、それこそプライベートな、マイペースで楽しめた釣りだった。
同行は、村越正海さん、師匠の久保秀一さん。そして船宿は何時もの三浦半島小網代の丸十丸である。
実は9月22日に予定された第8回目の「和竿で釣るカワハギの会」が台風の影響で今月の10日に延期されたため、これに参加できなくなった村越さんと小生、それにこの会を陸側で運営するため釣りの出来ない久保さん、この3人が事前の調査?をやろうという事になったのだ。
今期のカワハギは、既に新子(当歳魚)が多く、エサ取りが多いからエサは多めが良い! 立ちも20メートルほどの浅場だから、オモリも25号と軽めで良い。・・久保師匠からそんなアドバイスを受けての出港だった。
8時頃、約20名を乗せた小菅裕二船長が操る船は、港を静かに離れた。少し北の風があったが海は穏やか、暑くも無し、寒くも無しの釣り日和である。
・・・小生、1年ぶりのカワハギ釣りである。持参の竿は、昨年、横浜の「汐よし」さんに造ってもらった2本目のスピニング用の和竿である。
このスピニング和竿、村越正海さんのお薦めでもあった。カワハギ釣りには両軸リールが当たり前なのだが、小生はどうも手に合わなかった。・・とは云いつつも実は今日が「竿おろし」だったのである。・・先ずは、慣れなければならない。
左側の久保さんは、相変わらず上手である・・。今季は数回通っていると言い、慣れた手さばきで次から次に掛けている・・。右手の村越正海さん、何かを試行中のようで、それでも確実に釣り始めていた。
そういう小生、相変わらずの下手くそ!!・・で始まった。
実は、下手糞、その中にエサ付けがある。アサリエサはぬるぬるして、指先が滑って上手くハリに付けられないのだ。
・・もしかして?? 今日は投げキスに使う、我が工房発売の「ブナの木粉」を持ってきた。・・・そしてアサリにマブシてみた。・・・・良好である。滑らないし付けやすい・・。これならば十分行ける!!
この木粉は、杉やヒノキのような殺菌、殺虫効果は無く、無味無臭である。・・むしろ虫や昆虫が好むブナの木から造った粉であり、魚に嫌われるようなことも無い。水分を可なり吸っても、石粉や卵殻粉のようにベタ付かない。
久保師匠は怪訝な顔をしていたが、村越さんはこれはいける!と、太鼓判を押してくれた。
使ってみて、この木粉をまぶしたアサリは、風に吹かれると乾いて堅くなってしまうきらいがある。そうした時は適度に海水を含ませることで解決できたし、多めの水分があっても滑りは発生しなかった・・。
ふと、その内「カワハギ釣りに必携、アサリの滑り止め用木粉!!」として、そっと売り出してみたら?と思うのだった。
さて、下手さ加減の中にも、時として大物は釣れるもの! 底近くにあったエサに、ガッツン!と大物がハリ掛り。・・・ガンガン、ガクガク!!・・上手くリールが回らない。竿も折れんばかりだ! やっと見え始めた姿からして、正にカワハギそのものだった・・。
操舵室から見ていた小菅船長が、タモ網を持って掬い(救い)に来てくれた!!
上がったカワハギは確かに大きかった。小生初の28?の大物だった!!
その後、小生は満足感を覚えつつ数尾を追釣しつつ、午後3時の沖上がりまでの釣果は〆て16尾であった。
村越さんは確か20数尾? 久保師匠は船中ただ一人の40数尾と、何時もの通りの竿頭だった・・。
兎も角、カワハギ釣りは楽しい。小さくとも、大きくともアタリは強く、食べても美味しい魚である。
聞くところ、住いから近い茅ヶ崎漁港の船宿でも「生アサリ餌」が用意されたカワハギ専用船が出始めたと云う。機会を作って一度出かけてみたいと思っている。
今季初のカワハギ!
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執筆者:高澤鱚介