8月23日の朝刊に差し込まれた地方ミニコミ紙「湘南新聞」に、我が釣り人生みたいなものが紹介された。『平塚“人”』と言う、特集のリレー記事である。 取材のインタビューを受けた際に感じたのだが、ここ湘南の平塚に住んでほぼ30年、やっと、自分が本物の平塚の住民になれたのかな?と強く思えた瞬間でもあった。 ただ、出された紙面のタイトルには、大きく“湘南シロギス釣り生みの親”とあったから、アチャー!?・・と、一瞬のためらいが頭を過ぎったのも事実である。それは、私には特別に取材されるような題材も実績もなく、第一、主題もハッキリして居なかったから、私から、一体何が引き出されるのだろうか?と少々心配をしていたのだ。 文面を追っていくと、かなり自分の姿が正確に捉えられている。一面、自分の考えや行動が“あや取り紐”で繋がるようにまとめられ、これほど赤裸々に紹介されたのは初めてでもある。正直、恥ずかしくもあるが、自分自身で評価し得ない自分の姿とは、このように捉えられるのか?・・と驚き、また、感心もしてしまった。 この新聞はローカルなミニコミ紙とは云え、一般紙では取り上げないような、しかし市民にとっては関心の高い事柄を、鋭く、しかも馴染みやすい記事として捉えている。また、身近な出来事や情報を幅広く伝えている。・・・どちらかと言えば、堅めな基調でまとめられた真面目な新聞であると言える。隔週土曜日の配布だが、私は何時も、第1面の中味の濃い記事を関心を持って読ませてもらっている。・・ただ、今回の私の紹介記事は、2面であるが・・・(笑) 配布地域外の方に、この大まかな内容を第三者的な見方で紹介しよう。先ずイントロで、我が住う一部屋に「鱚介オリジナル工房」というロマンの詰まった男の城があり、中には、釣具や釣り雑誌、工具類が所狭しと並んでいる。・・とある。 そして本文では、“ねらいは海のマナーの育成”として、釣りや環境改善に取り組む現実の姿などを、チャリ平を例に紹介している。 次に“幼少時代、父親から特訓”を受けたこと。その時の清浄な海や砂浜の美しさに感化され、今、環境問題に取り組む姿勢が育てられたのだ。・・とある。 そして“こだわりの道具を製作”では、独自のこだわりを持った釣具を何故造るのか。・・ほしい道具は自分で造り、誰にでも投げ釣りの面白さを伝えるため・・などと紹介する。 最後の、“そろそろ後進に道を”では、団体の長と言うものは長く君臨してはダメ。組織は、保守的でなく何時も新鮮でなければ発展しない。・・と言った持論で結ばれている。 いま、釣りを通じて様々な取り組みが行われており、海には縁を持たない方も多く参加している。その多くは、自然との調和を求めた活動である。 私ごときが、こうした動きの主役には成り得ないが、ただ、誰かが一歩でも前を歩かなければ進まない。私の釣り仲間の多くは、私と同じような考え方や取り組みをしている。 今回の取材や記事が、こうした多くの仲間の一介として選ばれ、携る方々の代弁を少しでも通じられたと捉えていただければ、冒頭申した「お恥ずかしく」では無く、とても嬉しいことである。 最後に、これを書いていただいた飯田忠久記者に御礼を申し上げたい。記者は、元産経新聞の辣腕記者と聞く。現役時代には、沢山の大きな事件を手がけてきたに違いない。今回のは小さなローカルな記事かもしれないが、記事のまとめ方、背景に通じる言葉使いや筋書つくりは、流石にプロ記者の腕であるとお見受けした。稚拙なブログを書く私自身への刺激とも受け止め、合わせて感謝申し上げたい。 さて、私にとって、記事中の結びである「後進に道を!」は、あるいは今ここからが、これの始まりのような気もする。すべきこと、やらねばならないことは、老害と言われないように注意し、これからもご意見番として大好きな投げ釣りをしながら、大いに口を出させてもらおうと思っている。