今、窓の外は強風が木の葉を大きく揺らせている。丹後半島も低気圧の谷間にあって、今頃は多分、・・大荒れであろう??・・・。 変な出だしになってしまったが、いま居るここは鱚介工房の作業部屋である。 22日の深夜から勇んで出かけた丹後半島だったが、現地は、まるで冬入りしたかのような日本海独特の景色をかもし出していた。空はどんよりと暗く、北東の強風が吹きまくっていた。何処の釣り場も轟々と白波が立ち、大荒れだったのである。 しかし、それでも風裏の湾奥を選んで、何ヵ所かで投げてみたのだが、良型キスの影はまったく無く釣れるのはチャリコ(小鯛)とピンギスばかりであった。 そんなことで、3泊4日の釣行を早々に諦めた。止める決心も肝心なのだと、2泊2日で切り上げ帰宅したのである。 ちなみに、釣行を共にしたのは、多摩サーフの久保誠さんと、横浜・鱚酔会の宇都木朗さん。ともに先を読めるベテランで、豊かな経験力からの判断でそうしたのである。 ざっと辿ると、24日の朝、宮津湾に浮かぶ天橋立に行ってみた。雨風は強くウネリも高い、切れたアマモが漂い濁りも強い。それでも諦めずにレインウエアーを着込んで投げ始めた。 ・・だが、喰ってくるのは小さなチャリコばかり。少しでも仕掛けを止め置こうならば、ハリ全てに海ケムシが付いてしまう。ここの海ケムシは大きく攻撃的な動きをするから、毛虫嫌いな小生にとっては見ただけで肌が総毛だってしまう。 場所を変えたくも北東の風は強く、北を向いた当地の海岸は何処も大荒れで釣りにならない。特に今回期待した「間人(たいざ)の後浜」は、台風並みの状態であった。昨年来たときも同じ状態だったから、まあ、ツキが無いのかもしれない。 早々と丹後町の民宿「せいき荘」に入り、途中買った地元の芋焼酎で残念会・・。・・たちまちにして1升ビンの半分が空いてしまった・・。 翌25日、雨は止んだものの昨日以上に風は強く、何処にも竿を出せる所は無かった。やっと探し当てた風裏にあたる宮津市の栗田(くんだ)の湾奥に行ってみたが・・、しかし、ここも小ギスとチャリコのみだった。 今回の釣行は天候に恵まれずダメだったが、通常の釣行パターンでは経験できないような観光や、美味しいモノにありつく事が出来たのは不幸中の幸い。 テレビなどで見かける「伊根の舟屋」の珍しさ、奥伊根の料亭「油屋」と小浜の「魚センター」で食べた海鮮丼の旨かったこと、・・土産に買った「笹カレイの一夜干し」は、今晩の一杯の楽しみだ・・。 夕刻、北陸高速道敦賀インターに乗り、帰路に着く。途中休み休みしながら、午前0時15分東名高速中井秦野インターを下りた。・・「午前0時過ぎ」には大きな意味がある。通常なら8000円も掛かる高速料金が、0時を廻れば、何と土・休日特別割引の1000円で出られるのである。・・・感動を覚えながら、午前1時には、無事48時間の釣行を終え帰宅した。 自然に遊ぶ釣りとはこんなものであろう。・・今回は急変した天候には勝てなかったが、民宿の親父さんとの対話、初めて行動を伴にした久保さんとの出会い、豊かな産物に出会える道の駅や高速道のサービスエリア・・等々、沢山の思い出を創ることができた。・・・さて、次回は何処に行こうか??・・年内に、徳島の鳴戸、新潟の佐渡には是非行きたいと思っているのだが・・・。