言いたくも、言えなかったこと!!

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 まだ薄暗い早朝、沖合に鳥山が立っていた。イワシを狙っているのだろうが、追うのは鳥ばかりでは無い。後ろにはサバやカツオが、その後ろにはマグロなどの大型魚が付いている。時には、その大型魚を狙ってサメやイルカが外周を囲んでいる。・・・・そんな自然界の海中での活発な動きを想像してしまった。 ならば、我々が釣ろうとするキスとの関係は? イワシの多くはカタクチイワシ・・。そのカタクチイワシの幼魚がシラスである。キスがシラスをエサとして喰っていることは確かであるし、シラスの漁期と投げ釣りが盛んな釣季は一致する。即ち、シラスはキスにとって最大、最良のエサなのだと考えられる。 さらに、そのシラスの存在だが・・・、食物連鎖の中でも弱い立ち位置にあるシラスだが、人為も加わって長くは生きられない。・・それは、生活が掛かった漁師が、海面広くに張ったシラス網で、一網打尽にしてしまうからだ。 そして地元の食堂やレストランでは、獲りたて!新鮮生シラス!などと宣伝し、ご当地料理としてもてはやされている。・・・人気があり高値で売れるから、獲る方も頑張る。・・これとて貴重な資源の枯渇に結びつく筈だ。・・・ そう考えるのは小生だけの偏見なのか?? 沖合から集団でやってくる魚群らは、エサを食い尽くせばさらにエサを追って他の海域に移動できる。・・だが、ほぼ沿岸に生まれ育つシラスやシロギスなどは、そこにエサが無ければ生きられない。そんな今、我々投げ釣りマンにとっても、追い求めるキスは壊滅したかと思うほど釣れないし、釣り人の影もだんだんと減っている。 過去、相模湾は豊饒の海と云われ、獲れる魚の種類も量も多かった。・・・だが、今は??? 悲しいながら、漁とする魚も少なく、営む漁業者も少なくなってしまった。 シラスの専門漁業者だって、自分が取りたいシラスが獲れないと嘆いている。 シラスの取り過ぎで多くの魚のエサが無くなった!連鎖が断ち切られている!・・と、そんな批判を口にする他業種の漁師たちも居るのだが、同業者としそれを口に出して非難する者は居ない。 小生もそれ以上のことは言わないし、言えないが、漁業に関係する行政機関、環境に関する行政機関は、もっと根本的なことを見直し、広く全国的な問題として把握し、適切な研究を行って漁業者への指導監督をする必要があるのではなかろうか。  一方、多くの海岸で少なくなってしまったシロギスだが、今居るシロギスは、それでも何とか生き延び、やっと岸辺に近付いてくる。・・・そんなシロギスだが、果たしてそこで育ち、卵を産み、さらに増え続けられるのだろうか?    小生の偏見であればお許し頂きたいが、次のような事例について、一つの、こうした見方ができる。  春先の海が温んで、やっと砂浜にたどり着いたシロギス達だが・・。しかし、数少ないそれらは、ある大手釣り具メーカーの釣具販売戦略で行われる「投げ釣り大会」で集められた、数百人もの釣り人によって根こそぎ釣られてしまう。 竿1本で釣る投げ釣りであっても、進化した道具で、ハリ数を増やし、多くの名人たちが砂浜一杯に広く探って釣るのであるから、及ぼすその影響は大きい。 果たして今、こんなことで良いのだろうかと真剣に考えてしまう。 自然に育つシロギスを取り巻く環境は益々厳しく、減少の一途にあるように感じる。「少なくなったのは、温暖化や環境の変化によるものだから心配はいらない」と云った声も聞く。・・・だが、本当にそうなのだろうか??  釣り具を進化させ、多くの釣り人に楽しみを与えてきた釣り具メーカーには感謝もする。私自身も過去に釣り具メーカーのテスターとして手伝いをしたり、幾つもの大会にも参加させて貰った。 今でも時折、参加したい気持ちに駆られることもあるが、でも、今は、時折様子を見に行く程度である。・・・歳のせいばかりでは無い。最近考えていることとのギャップ、言行不一致になってしまうからでもある。  しかし、釣り具メーカーはそろそろ、こうした「自然の限りある獲物」を対象として行う商売戦略は考え直すべき時期に来ているのではなかろうか? メーカーが大会運営について工夫していることは承知しては居る。しかし、大会の大きな流れとして見受けられるのは、既に魚影が無くなり、釣れなくなってしまった釣り場から離れ、全国の「釣れる釣り場」を狙い、それも繰り返し行うようになっている。 多分、後には明らかになろうが、こうしたことを繰り返していれば、きっと、今釣れる釣り場であってもやがては相模湾と同じように「シロギスの居ない、釣れない釣り場」となってしまうに違いない。余計なことかも知れないが、今からこれを予言し忠告しておきたい。 釣れる釣り場を守り、釣れなくなった釣り場にシロギスを呼び戻したい。・・・破壊は簡単、回復には努力と時間と金を要する。これこそは誰もが知っていること・・・。 小生は、こうした破壊につながる流れを止めなければならないと考えるが、このままでは、やがてはメーカーにとっても、釣り人にとってもマイナーな世界に入ってしまい、抜け出せなくなってしまう筈である。・・・それを心配しているのである。  同時に、小生は、釣り大会がけしからぬ!・・と云うのでは決してない。親睦や趣味者の行う釣り大会、組織団体の行う大会などは賛成するし、大いに盛んになってほしいと願っている。  ここで一つ考えるのだが、釣り具メーカーが将来に渡って持続的に発展を希望したいのであれば、今、大会開催に掛ける費用や労力を、「地域の釣りクラブ」や「釣り組織」、「釣り団体」などに対して助成したり、大会運営等に費やすことを考えてほしいと思う。  間違ったプロ意識を育てるような大会では無く、子供たちを素晴らしい釣りの世界に誘い、底辺を育てる。・・そこに育った釣り人は、やがては地域や職場でリーダーとなって、さらに多くの者を和ませ、広く全国で交流できるような組織つくりなどにも貢献していくだろう。 ひと昔前のように、1本の竿を持って、趣味の仲間同志が集まり、一尾のアタリを楽しむ。・・大きさを競い、数釣りを競う。・・今書いていて、つい、そんな素晴らしかった頃を思い出してしまった。・・・こんなつまらぬことを書かずとも良いような時が、何時か来ることを願ってやまない。   色々と気になっていることを書いたが、この内容に対し賛否両論ある事を承知するし、不満を感じる方も居られようと思う。このブログ上でそれらを議論する積りは無いが、何か感じたことがあれば是非コメントいただきたい。    長文を最後までお読みいただいたことに感謝します!!            公益財団法人:神奈川県栽培漁業協会・評議員            一般社団法人:全日本釣り団体協議会・フィッシングマスター                      高見澤 佑介

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