嬉しい便りが届いた。奄美大島で刊行されている「海南日日新聞」の記事である。
20数年来の付き合いがある、平塚市内で経営していた「奄美酒房・水連洞」の山田義孝さんから届けられたものである。
山田さんは奄美大島に近い沖永良部島出身で、高校を卒業以来飲食業の世界で修業し、30数年前から平塚市内で魚料理を中心とした「黒糖焼酎が飲める店」水連洞という店を経営していた男である。
彼は釣りが趣味で、既に亡き服部名人との親交が深く、腕の方も相模湾で一番と云われるくらい上手と云われ、多くのタレントに釣りを指導するなど釣り番組にも沢山出ていた。 同時に、定期的に通う船で釣った活魚を客に振る舞っていたのである。
そうした彼は昨年、高齢化した父親の面倒を見るべく店を長男に渡し、父親の住まう奄美大島に帰っていった。そして彼これ1年が過ぎた今年6月、念願かなって自宅を改造した創作料理店を開店したのである。
彼の得意料理は、奄美料理を始め、魚料理、イタリアン、中華と幅は広い。しかし、オールマイティとは行かないことから、「何々料理」を提供する店としたらよいのか?と、とても迷っていた。
そんな彼の困った顔を見ながら、つい口走ってしまったのだが、・・・「山田さんの料理は決まってしまったような伝統的な料理を出すのではなく、和洋、中華、多くの料理の中から、季節を感じさせるような、自分が得意とするものだけを幾つか並べて出せば良いのではないか。
・・いわゆる「山田義隆流」で良いのではないか。・・・一層のこと、屋号も「やまだ流」としたらどうですか!・・・と、提案してあったのである。
この一年、彼の準備状況は携帯電話で聞いていたが、親が奄美大島に住むものの、彼自身は島のことも、知人も少なく、島になじむために相当に勉強していたようである。
それは日々、街を歩き、漁港や市場を訪ね、少ない知人を頼って著名人の紹介を受け、その方の伝手を頼ってさらに多く知り合いを作っていった。・・・同時に、自宅で料理を創作しつつ、そうして知り合った方たちを度々招いては試食会を開くなど、相当の努力する姿があった。
二月ほど前だった、山田さんから「高見澤さん!やっと保健所の許可も下りそうで、6月には開店できそうです!屋号は高見澤さんのおっしゃった「やまだ流」とさせていただきましたよ!ただし、平塚「水連洞」は自分の人生ですんで、ここを水連洞ターチ(島の方言で二番目と云う意味)と呼ぶことにしました!!・・・そんな嬉しい電話であった。
送られてきた記事を読むと、魚は自分で釣ってくるものもあるが、既に市場の仲買人としての許可を取り、料理に見合った新鮮魚を朝一番で仕入れているとのこと。・・開店からの客の入りも良く、精いっぱいに腕を振るっているようである。
一つ、面白い記事があった。予約制でAコースは3000円(料理お任せ7品、飲み物込)と安いが、驚いたのはBコース(料理のみ3000円)である。・・これは何と「酒は持ち込み自由」とあるのである。さらに、時間制限は特に敷いてないというから驚きである。
こんな店が近くに有ったら良いのだが・・。小生は3度ほど奄美を訪れているが、この機会に、もう一度(ホシギスを釣りに)行ってみたいと思っている。
これをお読みになった方が、もし、奄美に釣行したり観光したりする機会があったら、ぜひ「やまだ流 水連洞2号店」を訪ねてみてほしい。 昼間は、島を案内してくれると思います。
また、平塚「水連洞」で山田さんをご存知の方、是非、電話などで励ましの言葉を送ってあげてほしいと思います。
ちなみに、場所は、
〒894−0004
鹿児島県奄美市名瀬はと浜町141
電話 携帯090−3537−7951
創作料理 やまだ流 水連洞 ターチ
やまだ流 水連洞(2号店)のこと
投稿日:
執筆者:高澤鱚介