もっと確実に、ハリス仕掛けを浮かすことが出来ないかと考えたのがこれである。「ハリス仕掛け・水平浮き上げテンビン」とでも言おうか!! オモリ軸とアーム軸の間を発泡スチロール浮遊体でトライアングル状に結んだのである。
付けるオモリが軽いと全体が浮き上がってしまうから、そのバランスを取るのにひと苦労してしまった。
オモリ側は、デルナーの27号をベースに20?径、5?長の発泡スチロールを通し、上から木製の丸キャップを被せて作ったFPシンカーである。一方のテンビン側は、1?径で50?のステンレス線を25cmで曲げ、一方をオモリ軸に、もう一方をアーム軸として45度角のテンビンを造り、これにFPシンカーを付けて半ぶらとした。
これに、12?径10?長の発泡スチロール棒で造った「浮き」を水平になるように取り付けた。
形は悪いし飛びは悪いだろう・・・が、多分海底では、ほぼこの形で安定するものと考えて居るのだが・・?
実は今日、これを持って投げてきた。キスはもう居ないがフグとなら遊べると思ったのだ・・・。
想定していた通りに飛ばなかったが、それでも4色は出た。潮に流されることも無く、海底でしっかりと立っているようでラインもフワフワっとした感じで安定していた。
そして、確かにフグは居たし釣れもした!! ただ、活性が低く、アタリも弱く暴れることも無く面白くは無かった。
最大の問題は「ある状態」で投げた時にテンビンがぐるぐる回って、仕掛け絡みが生じたのである。投げのテンビン造りで一番避けねばならない問題があったのだ!!
・・・でも、解決策はあった。「ある状態」を作らないことだった。
投げた後の飛行中、テンビンのオモリ軸にはチカラ糸やラインの重さ、空気抵抗などが掛る。だから、アーム軸の方にも同じような負荷を掛けてやらないと不均衡が生じてバランスを失ってしまうのだ。
従って、これを解決するには、アーム軸に結ぶハリス仕掛けを長くしたりハリ数を増やすなどして、重量を増してバランスさせることである。
このことは、投げ釣り一般に言えることで、短い仕掛け、軽い仕掛け、軽いオモリなどで生ずる、仕掛け絡みがそれである。
使った結果は今のところ全く出ていない。・・が、釣れるようになったら、これで楽しんでみたいと思って居る・・。
余談だが、テンビン(天秤)を辞書で引くと「中央を支点とする梃(てこ)を用いて質量を測定する器械」という。要約すると「梃の両端に負荷を架けて水平にし、質量を知る器械」を言うそうである。
従って、釣りに使うテンビンもそれ自体は器械であって、テンビン自ら質量をバランスするものでは無い。
言うなれば、釣りに使うテンビンは、オモリが中央の支点となって、梃(オモリ軸とアーム軸)の両端にかかる負荷が上手く均衡の取れる構造であれば良く、テンビンの良し悪しは、そのテンビン自らよりも「使う側の知見と使い方」で決まるのではないだろうか?
決して造り手としての努力は惜しまないが、使い手としても一考したい課題であろうと思う・・。
仕掛け浮き上げテンビン!(その2)
投稿日:
執筆者:高澤鱚介