貝殻の博物館へ!!

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 全国の投げ釣り場をさ迷う中、釣れないときには貝殻を拾い集めることが小生の隠れ趣味でもある。  砂浜には、時折小石に叩かれずに生きたままの姿をした、美しい名も知らない始めて見る貝殻が見つかる事がある。そんな時、少年に帰ったような、貴重な宝物を見つけた時のような、ウキウキした気持ちになる。  だから、拙宅には、いつの間にやら大きなダンボール一杯の貝殻が集まり、部屋のあちこちに転がっている様である。 何時か貝の図鑑を見てそれらの名を知ろうと思っているのだが、それが中々できないでいる。・・それは余りにも貝の種類が多く、パソコンから検索した貝類図鑑を見ただけでは分からない。同じ色や形をしていても異種であることが多く、これだ!と、定まらないからである。 神奈川に面する相模湾には、それこそ沢山の貝類が生息しているようである。時折、葉山の「しおさい公園」にある博物館を訪ねてはいるが、現物を持ち、メモを取って来ないから家に帰ったときには忘れてしまう。 最近、平塚海岸で沢山の「ヤツシロガイ」を拾い集めた。同時に「ナガニシ」や「カコボラ」なども見つけたが、名が分からない貝も幾つか混じっている。 そんな貝を知りたくて、昨日、パソコンの検索を辿っていたのだが、何と、真鶴半島に「遠藤貝類博物館」と言うものがあることを知ったのである。 そして今日、女房と連れ立って行ってきた。町立の博物館は真鶴半島の先端に近い「ケープ真鶴」と言う観光施設の中にあり、昨年4月にオープンしたと言う。 入り口には、土産店に混じって貝殻の販売店もある。しかし、求めるところは2階の博物館だ。 ・・狭い階段を上ったところにエントランスホールがあり、貝で装飾した飾り物が幾つか並んでいる。 受付で入場券を買って驚いた。何と、料金はたったの300円。いまどき嬉しい安さである。 入ってからは本当に感激の連続であった。陳列されたものは全て貝、貝、貝、貝・・である。他の博物館のように、魚だとか釣り道具だとか余計なものは無い。ただ、貝のみであった。 貝殻の大きさは、虫眼鏡が必要なものから4、50センチ位まで、凄い種類と量である。貴重な「オキナエビス」の仲間も何種類もある。 そう、ここには相模湾を中心とした貝殻、世界中から集められた貝殻が、整然と整理され展示されていたのである。 パンフを見て知ったのだが、真鶴町岩に居られた貝類研究家の故遠藤晴雄さんという方が、生涯を掛けて収集した貝類コレクション4500種、50000点を町に寄贈し、これを受けた町が、昨年4月に博物館としてオープンしたのだそうだ。 実は今日、小生は種名があやふやな貝を10個ほど持参した。勿論、名を正確に知りたかったからだが、しかし、先に言ったように、同じに見える貝でも種々の名がここにもあるのだ。 ・・迷っているのに気が付いたのだろう、山本真土さんと言う学芸員の方が来て案内してくれた。・・流石に、殆どは直ぐに分かった。しかし、一つだけヤツシロガイの仲間であろうが、文様の違ったモノの正確な名前が分からなかった。 もしかして、新種???・・そんなことは有るまいが!!・・。館長も出てこられ、近々、学芸員の集まりがあるから、しおさい公園の池田等館長にも聞いてみて、正確を期したいと言うことになり、預けてきた。 貝殻と一口に云っても、それはそれは奥の深い学究の世界がある。・・趣味は趣味程度にとどめておくべきだと考えるが、しかし、ふと見つけた一個の貝が、始めて見る貝だったらどうだろう。・・恐らく、その一歩、1歩が、深みへの誘いとなって、避けようが無い世界に引き込まれるかもしれない。 帰りがけ、多分、歴史に残ると思える「細谷角次郎 貝類図絵」を買い求めてきた。1984年生れで横須賀市秋谷に住んだ「細谷角次郎氏(神奈川県文化賞受賞者)」が描いた細密画をもとに創られた図絵であるが、写真とは違って貝の特徴を写実的に捉えて見事に描き出している。  この種の本は恐らく2度と発刊されることは無いと考えるが、因みに価格は18000円である。・・が、特別頒布で10500円だった。聞くところ、7月22日の発売以来、未だ2冊しか売れてないそうで、小生が3人目といった希少なものである・・が、小生の貴重なお宝本となることは間違いないだろう。ここ当分の間、ながめては真剣にも、ニヤニヤしそうである。 この細谷角次郎貝類図絵の原画展(〜生物細密の世界〜)が、今、この「真鶴町立遠藤貝類博物館」で10月26日まで開かれている。貝殻に興味のある方、秋のさわやかさに乗って、是非、一度訪れてみて欲しい。 なお、一言加えると、すぐ近くには町立の「中川一政美術館」もあり、また、新鮮な魚料理店が多くあるのも魅力である。

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