最近のこと、鱚介工房の顧客である香川県多度津のベテラン釣師:丹羽章様から、こんなメールを頂きました。
【 私は「真打ち‐SMAB」のデザインは天秤の理想形だと思っていますし、大変普遍性の高いデザインだと考えています。 そこで今年は、真打天秤の一本のアームを(はなはだ申し訳ないことながら)真打SMAB風に折り曲げて使ってみました。ところが、これが結構具合が良いように思われます。「真打ち‐SMAB」と同じように必ず口元に針掛かりしてきますが、この針掛かりが若干向上したように思えます。
あのデザインで、08アームなどがあれば面白いように思うのですがいかがでしょう?
L型異軸08アームは、とくに近投で重宝しています。ともあれ、今後も面白いご提案をお待ちしております。】
・・というものでした。(・・なお、08アームは、早速試作しお送りしました。)
内容には、お褒めの言葉と、使い方での工夫、新しい提案があります。その中の一つに、シマッタ!と思うことがありました。・・・それは、「真打ち」のアームを折り曲げて使ったら「ハリ掛りが良くなった」と言う部分です。
実は、工房でこれを造った意図に、アームを「自分なりに、或いは魚の大小、喰い方の状況、釣り場の状況などに合わせて“適当に折り曲げて使って頂けること”を意識していた」のです。
最初の頃、そのようにPRさせて頂いたと思うのですが、いつの間にか欠落したままになっていたのです。
余談ですが、今ご高評頂いて居ります「真打ち‐SMAB」(写真上)の形状は、この「真打ち」のアームを折り曲げて使う効果と、形状記憶合金アームの特性を最大限生かし、且つ、実釣の中から“釣れるテンビン”として規格化し製作したのです。
そこで、ここに改めて紹介させて頂くのですが、「真打ち」は全ての種類(赤−0.8ミリ、黒−1.0ミリ、藍−1.1ミリ、黄−1.2ミリ)で、お使いになる方の経験から、折り曲げたり、弓形に反らせたりと、ご自由に工夫しながらお使い頂けることをお奨め致します。
また、「真打ち」は、直線テンビンとL型テンビンの中間にアームを張ったテンビンで、アタリの感度、ハリ掛かり等、他に例を見ない優れたテンビンであると自負致しております。・・が、正直言って、一つだけ気になる点があります。
それは「アタリがあるのにバレる!」と感じられてしまう点です。・・・実は、どんなテンビンでも、こうした現象があるのですが、微妙であればあるほどL型テンビン系ではそんなアタリには気が付きません。・・裏返してして言いますと、「真打ち」はそうした微妙なアタリまで拾ってしまうという事なのです。
もし、このようなことがあれば、今お使いの「真打ち」テンビンのアームを、直ちに、先端から5センチくらいの位置で45度角程外側に折り曲げてみてください。・・・頂いたメールのように、ハリ掛かりが格段に良くなると思います。(鱚介)
テンビン「真打ち」の効果的な使い方!!
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執筆者:高澤鱚介