被災地を見舞ってきました

投稿日:

 過日、村越正海さんから宮城県の釣り仲間に励ましの見舞いに行くと聞いていた。何も役立てなく悶々とする昨日、小生もそこへの同行を求め、唯一身近な知人である宮城県東松島市の「大曲浜つりえさ店」を経営していた伊藤浩二さんを見舞ってきた。 「・・・経営していた」と過去形で言うのは、店が津波で流され消滅してしまったからである。そのとき彼は、直ぐに津波を想定し、店員の方と共に何も持たず一目散に遠く離れた高台に向けて避難できたと言う。津波は、数キロ離れた自宅にも向かったが、波先は寸前のところで止まり家族も無事だったと言う。 訪ねたとき、彼は隣の石巻市で、娘さんを亡くされた友人宅の後片付けを仲間たちと泥に紛れながら行っていた。そこは数十センチ地盤が沈下し、未だに水浸した住宅地であった。狭い通路には、持ち主不明の車が沢山の廃棄物と共に重なって捨てられていた。 仲間の皆さんは、それでも笑顔を作り我々を迎えてくれた。彼らの誰もが口にしたのは、今の自分を支えていられるのは仲間であり、お互いがお互いの支えとなって生きているとしみじみと語っていた。 被災者に「がんばれ!」と言う言葉は禁句であると聞く。しかし、やはり言える言葉、かける言葉は、「頑張れ! 頑張って!!」と言うしかなかった。・・それも、何度も、何度も!!・・・。 過ぎし時、再び好きな釣りに行ける心の余裕を作ってほしい。・・そんな思いで、未だお渡しするには尚早ではあると思ったが、使い古しではあるが愛用した投げ釣り道具一式をお渡ししてきた。 被災地の現状は、テレビや新聞などで詳しく報道されている通りで、なまじここでは触れることは出来ないが現地を概観する限り、地震での被害は少なく殆どは津波の被害である。押し寄せた津波の先端が、・・言葉悪いかもしれないが、天国と地獄の境をつくっていた。  大津波から免れ建物が残った地域では、道路1本、排水溝の1本がその境であり、1ヶ月過ぎた今は、津波から免れた側は電気も通じ、これまでどおりの街の活況が甦りつつある。しかし、受けた側は、それこそ地獄の様、多くの被災者が後片付けに追われていた。 一方、大津波を直接受けた海に面する地域は、言語に尽くせない状況を呈している。静かさを取り戻した海面とは対照的に、陸地には壊れた車、ばらばらになった家屋の木片、汚れた生活用品などが山積みされ、それらが原野のように広がっている。そこには人影は無く、ただ、自衛隊の車両だけが淡々と作業を重ねていた。  伊藤さんとその投げ釣り仲間には、山口県の星出志乃さんと共に店の再興と仲間の皆さんを励まそうと、別途、投げ釣り界のトップキャスター達から励ましの色紙を贈る準備をしている。一月後になろうと思うが、果たして復興はどこまで進むのだろうか・・・・。

Loading





-未分類

執筆者:

関連記事

弓形半遊動テンビン・・ついに発売!!

収縮ゴムは赤と黒です 我が「鱚介オリジナル工房」からのPRです。  過日、前アタリが取れる投げ釣り用のテンビンとして、この「弓形半遊動専用」を紹介したことがあります。そして、試作品を20名くらいの方にプレゼントさせていただきました。 そのとき、このテンビンを造るには難しさがあり、時間が掛かってしまうため、鱚介工房からの発売は難しいとも書きました。 実はその後、多くの方から使ってみたい、発売してほしいとの声が届けられ、少し迷ったものの、この種のテンビンは他に無く思い切って作成することにしまし…

Loading

no image

「L型‐SMAB」改め「L型異軸-SMAB」に移行!!

 前回の記事で、鱚介テンビン「L型‐SMAB」には、L字部分の曲げの強度に問題があることを書いた。実は、これまでお二人の方から?曲り部分の伸び、?折れ、が指摘された。 原因は、曲げ部分のスリーブ中にハンダが確実に入らず強度不足だったのである。 お二方にはお詫びの旨を伝え、強化した新作を送りお許しを頂いたが、これは反面、造る側にとっては有難い指摘であり情報であって、とても感謝している。 この記事を読まれ、自分の買ったものもそうであった!という方が居られましたら、ご面倒でも、是非そのことをご連絡頂ければ…

Loading

大ギスのショートポイントへ

静かな岩礁に囲まれた入り江で 昨日、3時起きして村越正海さんと南伊豆下田の爪木崎に大ギス狙いで出かけてきた。 何時も磯のサラシを巡ってヒラスズキなどを狙っているルアーマンの村越さんが、大事にしている大ギス釣り場を案内してくれたのだ。彼はルアー釣りで磯を歩く傍ら、常に色々な対象魚の居そうなポイントをチェックしている。 この日の小場所は、彼が釣りの合間に遊びのチョイ投げで大ギスを仕留めているマル秘ポイントでもあった。 これまで、何度かお誘いいただいていたのだが何やかやと間合いが悪く、この日が初…

Loading

ハリ抜き ハリ外し 

トーン記号? 写真のトーン記号のような針金細工が何かお分かりだろうか? 飲み込まれたハリを外すには、針抜きなどはいらない。エラ付近を指で挟んで引けば直ぐに抜ける。・・と、仰る方が結構居られる。 ・・・が、口内の硬い部分に刺さったり、深く飲み込まれたハリはそうは簡単に外せない。 だから、針抜き&ハリ外しが必要で、釣りには無くてはならないアイテムとなるのである。 ・・で、ハリ外しは本当に沢山の種類と言うか、形のものがあり、多くは手製で自分用を造る方が多い。 直接ハリを掛ける部分はほぼ同じような…

Loading

第4回:湘南オープン投げ釣り大会参加!

参加者・記念写真昨日10日(日)、湘南鱚酔会(湘南オープン投げ釣り大会実行委員会主催)による、第4回大会が湘南大磯海岸で開かれた。 まだ暗い寒空に集まったのは遠く豊田市や沼津市、千葉市などから来られた43名・・。 大会は抽選で3人一組の所謂トリオを組み、勝敗は総尾数制で入賞は6位まで・・。また、個人の最多賞、大物賞、少年少女・レディス・シニア賞なども用意された。 大会の目的は、釣果を競うことはもちろんだが、釣り人同士の和と輪を広めることにあり、このトリオ戦方式はとても友好?有効?なのである…

Loading

2025年2月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
2425262728  

アーカイブ