今日釣ったシロギス8尾の中に2尾のカルキスが居た。 気温が未だ低く釣って直ぐには匂わなかったし、直ぐに冷えたクーラーに仕舞いこんだため気が付かなかったのだ。料理しようかと、小デバを握った俎板の上で気が付いたのである。
カルキスと言っても多くの方は知らないと思う。 そう言う種類のキスが居るわけでもないし、カルキスと言う呼びかたさえ名詞にはない。
一言で言うと、強烈なカルキ臭さを持ったキスのことで、水の消毒に使う塩素(サラシ粉)の匂い、あるいはヨウドの匂いを持った、刺激的な臭気を持ったキスの事をそう呼んでいる。
何故そういったキスが居るのかは専門家でも分かって居ないようである。今まで聞いたことを整理すると、幾つかの原因説がある。一つは、漁業界で使われる定置網などに使われる薬品が網やロープに付いた虫や貝類などに吸収され、その虫や貝類を食べた魚が臭くなってしまうと言う説。二つには、強いヨウドを含んだ海草や海草に付いた虫などをエサとして食べた魚がそうなると言う説。三つには、下水やドッグ等の排水が吐き出される海域に育った魚がそうなると言った説等々、さらにそれらが重なり合って起きる説すらある。
今日釣れたカルキスは、条件からして?では無いだろう。春先の特にエサが未だ十分でない頃、岩焦帯で釣れたキスに良くあることから、今日釣ったキスがテトラ周りで育ったと見れば、?である可能性もある。また、相模川左岸には大きな下水処理施設があり、その前で釣れるキスに最近カルキスが多いと聞くから、?もその可能性は否めない。
したがって今日釣れたものは「?と?が重なり合った環境下に育ったキス」なのかもしれない。・・と言うのが小生の結論である。
余談だが、このカルキ臭い魚はシロギスばかりではなさそう。昨年暮れに釣ったカワハギの中に同じ臭気を持ったものが居た。釣った場所が定置網周りだったから、?の説が有力とされたが、それはごく限られた時期的な現象であるから・・と、大きな議論にはならなかった・・。
また、全国的に見て、このカルキスばかりが多量に釣れる湾もあると聞く。・・ただ、いずれの場所においても未だにその原因は解明されて無いようだ。
一方、食べて毒か?と言われても、これも誰しも良くは分かっていない。ただ、食べてしまって具合が悪くなったと言う話は無いから、食べて食べられないことはなさそうだ。しかし、当たり前の嗅覚を持った人ならば、先ずは臭くて食べられないし、食べない方が良いだろう。
カルキスが2尾も!!
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執筆者:高澤鱚介