22日から2泊3日で、伊勢志摩に旅行してきました。目的は、昨年10月2日に20年に一度の「遷御」が行われた伊勢神宮へのご参拝でした。
思えば、中学生の頃の修学旅行以来のお参りでしたが、そのころからずっと頭の隅にあった「五十鈴川の澄んだ水辺と、鬱蒼とした杉木立に囲まれたお社の屋根にせせり立った千木」の面影が、当時そのままの姿で出迎えてくれたのでした。
外宮、内宮共に真新しい檜造りのお社が遷御され、その隣には、20年の歳月を経て所々朽ちかけた社が残されていました。
新旧の社が並ぶのは今だけで、4月頃には取り壊されるそうですが、そこに使われていた材木は神木として、次の用途として全国に広く使われその役を終えるのだそうです。
因みに、伊勢神宮は日本人の心のふるさとといわれ「お伊勢さん」「大神宮さま」とも呼ばれ、親しまれています。
外宮は[豊受大神宮」と云い、天照大神の食事を司る豊受大神が奉られており、衣食住を初めあらゆる産業の守り神なのだそうです。
また、内宮は「皇大神宮」と云い、皇室のご祖神の天照大神をおまつりする我が国で最も尊く、2000年の時を超えて古代のたたずまいを今日に伝えるお宮です。
私は知らなかったのですが、ガイドさんから「お伊勢様のご参拝で願うのは個人的なことでなく、日本の平和、世界の平和など万物に対する願いを祈る場所なのです。」とお聞きし、心改め、新たな気持ちを込めて世の平和をお願いしてきました。
ついつい、お伊勢様に失礼が無いよう言葉使いが「ですます調」になってしまいました。2泊3日お伊勢様に居た訳ではありませんので、以下は普通の「である調」でいきます。
この度の旅行は、リゾートトラスト旅倶楽部が主催した「松阪牛&伊勢海老&あわびの三大グルメ」+「エクシブ鳥羽アネックスとジ・アースに泊まる3日間」と云ったもので、お伊勢参りとは余り縁を感じさせない少し贅沢な旅だった。
中身はとも角として、伊勢湾の静かな海に浮かぶ島々を高台から望み、その島々を遊覧船でめぐり、真珠の養殖や種付けの実演、見なければ治まらない二見ケ浦の夫婦岩など、釣行時には決して有りえへん旅を楽しんだ。
ことに印象深かったことが一つあった。それは2泊目の宿「御宿 The Earth/ジ・アース」である。街外れのウバメガシ(備長炭の材)の原生林に覆われた半島の先に造られた、こじんまりと贅を尽くした木造の宿である。
オーナーは地元の方で、別に高級ホテルを経営している一方、さらなる良いものをと船上からも場所を選び、54000坪もの原生林を買い求め、そこに道を造り、半島の先端に地形を生かした地上1F、斜面地2Fの低層建物を造ったのである。
多分部屋数は20も無いだろう。部屋は、連担したものもあるが地形を生かしているためか、各部屋が分離され独立したような配置になっている。
泊まった部屋はメゾネットタイプで、1Fにリビングと日本間、2Fには洋間と外に向けた内風呂、ベランダには流し湯の野天風呂がある。
湯に浸かりながら眺める伊勢湾の先には、伊良湖岬が展望できる・・。天候次第では、そこから富士山が遠望できるとのことだ。
我が人生にとって、こんな素晴らしい宿に泊まれることはめったにないことだ。気になって宿の方に設計事務所が何処か?を訪ねてたところ、正に、旅館建築ではここに勝るものはないと言われる、熱海に本拠を置く「石井建築設計事務所」の作であった!!
この設計事務所の作品は全国にあり、幾つもの日本の優秀建築物として表彰され、それを売りとした宿は多い。
今回の旅は、久々に「サオを持たない」ゆっくりしたものだった。
思い返してみれば、紀東や南紀への釣行時にサオを積んだ車から、お伊勢様や二見ヶ浦を横目で見ながら通り過ぎたこともあった。
こんな風に海ばかりを見ていた小生、多分これからもサオを手放せない釣行が続くだろうが、たまには、こうしたゆったりした旅も・・・、織り交ぜられたならなぁ〜、良いものだなぁ〜と、思い始めている。
伊勢神宮・ご参拝
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執筆者:高澤鱚介